テクノロジーで育児を賢く、効率的に。CESが認めた「ベビーテック」サービス

Beatriz Vera / shutterstock

日本の出生数は過去最低を更新、少子化のトレンドが続いている。厳しい市場環境であるにもかかわらず矢野経済研究所によると2017年の国内ベビー用品・関連サービス市場規模は前年比6.7%増の4兆19億円と推計される。注目されているのは、IT技術を活用して妊娠や育児関連を効率化するベビーテックである。

毎年1月に米国ネバダ州ラスベガスで開催され、18万人超が訪れる電子機器の見本市であるコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では、ここ数年ベビーテックブースが設営されている。ベビーテック市場を牽引する最先端サービスが出展し、各種イベントが開催され注目を集める。

2019年CESでのBaby Tech Awards受賞サービスは5つ。どのガジェットもアプリと連携しているのが共通点で、なんとも便利そうなアイテム。今後日本市場での販売開始が楽しみな受賞商品を紹介する。

いつでも、どこでも赤ちゃんの居場所がわかる「Jiobit」

屋内外どこでも子どもの場所をトラッキングして、アプリで確認できるJiobit。スマートフォン電波、GPS 、Wi-Fiやブルートゥースを駆使して子どもの姿が見えなくなっても簡単に場所を特定できる。



赤ちゃんの呼吸確認は「Miku」に任せて、お昼寝時間を家族の時間に

お昼寝時間が長くなると息をしているか不安になり、確認したことのあるパパやママは多いのではないだろうか。赤ちゃんの呼吸回数や温度環境などの情報をカメラでモニターし、アプリで遠隔確認できるMiku。セキュリティ面に配慮したチップ付きで、従来のベビーモニターよりも安心安全であることをアピールしている。



忙しい朝でも正確な基礎体温が測れる「Tempdrop」

妊活中の多くの女性が指標にする基礎体温を簡単に正確に計測するTempdrop。腕にバンドを巻いて寝るだけで体温計測ができ、アプリでデータ管理ができる。こちらは近日発売予定とのこと。



「Elvie pump」なら、母乳育児がもっと楽に

装着すると母乳が出るタイミングで搾乳でき、母乳育児の継続を容易にするElvie pump。一般的な搾乳機で起こりがちな搾乳場所を選ぶ、1回あたり20分ほどの搾乳を数時間毎に行うのは時間がかかるという二つのペインポイントを取り去った画期的な商品と言える。



会話やゲームができるぬいぐるみ「Wooboo」

4歳以上の子どもを対象にした、会話ができるぬいぐるみWoobo。空はどうして青いの?星はなぜ光るの?などの子どもの疑問に答えたり、子どもとゲームをしたり、アプリでセットした時間に歯磨きの時間を通知するなどの機能を持つ。



日本国内では子育ての効率化を目指す数社が加盟する子育Tech委員会が発足している。子育Tech発起人であるカラダノートでは、ママやプレママの情報入手、記録、共有することを効率化して、効率化により手に入れた時間を使って子どもと向き合う時間を確保することを目指す。

妊娠前、妊娠中、生後それぞれのステージに合致したサービスを活用することで、育児を効率化できる環境が揃いつつある。育児方法や子どもの成長は人それぞれで、ネットの情報は嘘か本当かわからない......。手探りで感覚に頼りがちな育児をベビーテックで数値管理したら、混沌とした育児環境が少しずつ変わっていきそうだ。忙しい子育て世帯の効率化を図るベビーテックについて今後も引き続きウォッチしたい。

文=森屋 千絵

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