ビジネス

2019.02.19

Gincoが日本マイクロソフトと提携──迅速かつ、低コストでブロックチェーンサービスの開発が可能に

「昨今、ブロックチェーンに関する話題が増えてきたが、いまだに多くの人が技術的恩恵を享受できていない。本当の意味でのイノベーションを起こすためには、利用環境と事業環境の双方で生じている課題を解決する必要がある」

仮想通貨ウォレットアプリ「Ginco」を手がける、Gincoの森川夢佑斗はブロックチェーン業界を取り巻く現状について、こう語る。「資産の安全管理ができない」「インターフェイスがバラバラで使いにくい」といった利用環境の課題を解決すべく、Gincoは仮想通貨ウォレットアプリを開発してきた。

今度は事業環境の課題を解決すべく、新たな一手に出た。Gincoは2月19日、日本マイクロソフトと提携し、ブロックチェーンサービスの開発時に必須となるノードのホスティングとAPI提供を行う「Ginco Nodes」の提供を開始することを発表した。現在、開発中のGinco Nodes β版は3月初旬にローンチを予定している。

ブロックチェーン技術を、より多くの事業者が扱えるように

ここ数年で一気にブロックチェーン業界は賑わっているように感じるが、「ブロックチェーン技術によって何か生活が変わったか?」と聞かれたら、仮想通貨で稼いだ“億り人”以外、ほとんどの人が「NO」と答えるだろう。

私たちがブロックチェーン技術の恩恵を受けられていないのは、ブロックチェーンサービスの開発コストの高さにある。開発を行うには、システムインフラとなるノードの構築・保守・運用に人的コストをかけざるを得ず、対応するブロックチェーンごとにAPIの整備状況もまちまちで、多くの開発者が基礎的なノード運用に苦労していた。

その結果、各企業が強みを活かしたブロックチェーンサービスの開発が行えずにいた。この課題を解決すべく、Gincoはブロックチェーンを利用した事業の立ち上げに集中できるよう、ウォレット開発で培ってきたノード・APIを、事業者が活用できるにし、ブロックチェーンサービスの開発を行いやすくする。

 

「ブロックチェーンという未知の技術をより多くの事業者が扱えるようにしていくことで、イノベーションが生活者の手元まで届くようになる」(森川)
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文=新國翔大 写真提供=Ginco

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