サムスンは2月20日に開催の自社イベントで、折りたたみ式端末を発表するとみられており、このタイミングで、アップルの同種の端末のプランが明るみに出たことは興味深い。サムスンはアップルより先に折りたたみ式端末を投入することで、この分野の先駆者の1社になろうとしている。
資料に描かれた、アップルの折りたたみ式端末は2つの特徴を備えている。その1つが、山形に折りたたんで、両サイドから画面を見られるコンセプトをとっている点だ。これは2名が同時に動画コンテンツを楽しむ、もしくは、ゲームをプレイすることを想定していると考えられる。
また、資料には画面を折りたたみ式にするための、様々なメカニズムのアイデアが描かれている点も興味深い。そこには、スクリーンの動きに合わせて伸び縮みするスプリングを組み込んだイラストも描かれている。
アップルは折りたたみ式端末を実現する際の、明確なイメージをまだ決定できていないものと思われる。この機能が投入されるのは、iPhoneかもしれないし、iPadかもしれない。さらには、新種のMacbookという可能性もある。アップルが折りたたみ式デバイスの実現に向けて、少なくともそこに関わる特許を押さえようとしていることは明らかだ。
ただし、筆者個人としては、アップルが折りたたみ式iPhoneを実現するとしても、それはずっと先のことになると予測する。なぜなら、今年、他のメーカーがリリースする折りたたみ式端末は、さほどの実用性もなく、意味のある売上に結びつくとも思えないからだ。
アップルが今年発売する端末を5G対応にしないことは、既に広く報じられている。折りたたみ式端末に対する需要が高まるのは、5G対応端末の需要と同様に、まだ先のことになるだろう。アップルは需要が十分に高まったタイミングで、製品を投じればいいと考えているはずだ。
もちろん、テック系記者としてはサムスンの折りたたみ式端末には期待しているし、モトローラがかつて一世を風靡した折りたたみ式フィーチャーフォンのRazrを、スマホで復活させるとの噂にもわくわくしている。優れたデザインのクラムシェル(折りたたみ)型端末が、多くの人を魅了することは、スマートフォンが登場する前の時代から明らかになっていた。