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2019.02.16

廃業から復活したNYのヘンプ・ワイン、目指すは世界市場

Mariyana M / shutterstock


膨らむ親子の夢

キャステター親子はヘンプ・ワインを造るため、ビンガムトンのジョンソン・シティでソブリン・ヴァインズ(SV)を創業。2017年にはニューヨーク州酒類局(SLA)から、ヘンプ・ワインの生産と州内での販売について、許可を取得した。

だが、TTBからは同年、再び製品と製法を認可できないとの通知を受けた。ヘンプが規制物質のリストに含まれることが理由だ。これに対し、全米での事業展開を目指すSVは、自社がヘンプから抽出し、ワインに使用する成分にはTHCもCBDも含まれていないと主張している。使用しているのはマスカット系の品種にも含まれる芳香物質、テルペンだ。

SVは、第9巡回区控訴裁の判決に加え、昨年成立した2018年農業法が「ヘンプからの抽出成分は必ずしも規制物質には当たらない可能性がある」としていることを根拠として、連邦当局の製造・販売許可を再申請した。

同社がワインの販売を認められているニューヨーク州では、ヘンプ・ワインは従来のワインとは別の種類のアルコール飲料に分類されている。ワインの専門サイト「Wine-Searcher」によれば、価格はボトル1本当たり12ドル(約1300円)。白ワインの「Cayuga White」や赤ワインの「Harvest Red blend」のほか、ロゼも販売している。

大麻関連の政策やコンプライアンス対策、ブランド開発などを担当するケイランは、「…必ず全米、そして世界にも市場を拡大するつもりだ。そして、ここアップステート・ニューヨークには、テイスティング・ルームでの素晴らしい経験を提供する」と語る。

TTBの方針に変更がなければ、全米、さらには海外への進出はできない。だが、テイスティング・ルームは今夏、観光地として知られる同州北西部のフィンガーレイクス地方(スカネアトレス湖畔)にオープンの予定だ。

編集=フォーブスジャパン編集部

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