国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

マツダ ロードスター30周年記念車

今月、シカゴ・モーターショーでマツダ・ロードスターの30周年記念モデルが発表された。驚くのは、アメリカ市場に割り当てられた500台が、なんと4時間半で完売となったことだ。ちなみに、日本での販売は今春以降になる。

しかし、30周年を迎える日本の名車はロードスターだけではない。今年は数多くの30周年記念版が発売されることだろう。

日本のカーカルチャーを語るには、1989年の黄金期を忘れることはできない。黄金期というのは、つまり、世界が認めた日本の名車が数多く登場した年だ。ちなみに、1989年というと、 ベルリンの壁崩壊、天安門事件、昭和天皇崩御、任天堂ゲームボーイ発売、横浜ベイブリッジ開通、 消費税施行、NHK衛星放送開始など、激変の年でもあった。

それはちょうど僕が日本にやって来た頃で、伝説的なクルマがぞくぞくと登場した時だった。日産スカイラインGT-R(R32)、スバル・レガシィ、トヨタ・セルシオ、マツダ・ロードスター、日産300ZX(Z32)、トヨタMR2などが誕生し、高級車ブランドのレクサスやインフィニティが米国で生まれた年でもある。

今年、その全てが30周年を祝う。そして、眩しいレーシング・オレンジという色で発表された限定版ロードスターが、祝福すべき年の開幕を飾った。

ロードスターは、1989年の発売以来100万台以上売れたオープンカーだ。ロータス・エランにインスピレーションを得て開発されたこの車は、世界にロードスター・ブームを巻き起こし、メルセデスSLK、アウディTT、ポルシェ・ボクスターやBMW Z3などが生まれる起爆剤となった。

世界でもっとも有名なモーター・ジャーナリスト、イギリスのジェレミー・クラークソンは、ロードスターを高く評価し、「もし、君がスポーツカーを欲しいなら、ロードスターこそカンペキだ。これ以上、価値のあるクルマはない。5つ星評価では7つをあげよう!」とさえ、言ったほどだ。

しかし、シカゴ・モーターショーでロードスター以上に盛り上がったのは、30周年記念車とは言わずに、でもその記念すべき年を祝うかのようにスバルが発表した新型レガシィだった。内装が一段と高級かつハイテクになり、ターボ仕様も復活したということで米国ではとても好評だ。



スバル広報に聞いても「記念車」の存在を認めてくれないけど、レガシィの30年の大成功を祝えるチャンスを逃すはずはない、と僕は思うので、スバルは何らかの形で祝福するだろう。

文=ピーター・ライオン

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