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I write about management in its many forms.

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マネジメントについては部下との良い関係構築が大切だと説かれることが多い。少々皮肉なことだが、私はこの考えには全く賛同する一方で、部下と親しくなり過ぎないことも重要だと考えている。(ここで言う“親しい関係”とは恋愛関係ではなく、仕事上のさまざまなレベルの親交関係のことだ)

では、私が管理職と部下との近すぎる関係を懸念するのはなぜか?これを聞くと最初は直感に反するように感じるかもしれないが、近すぎる関係性は間違いなくマネジメント上の問題につながる。以下に、実際に起こり得る2つのパターンを紹介しよう。

えこひいきと受けとられる

自分では「えこひいき」しよう、つまり特定の部下をほかの部下とは違うように扱おうとは思っていなくとも、ある従業員と特に親しい関係にあるように見えたら、他の部下からはえこひいきだとみなされやすい。こうした認識を持たれると、嫉妬や落胆などが生まれ、チーム内の関係性に悪影響を与える可能性がある。

管理職としては、全ての部下に公平に接していると思われたいのが自然なことだが、特定の部下に近づきすぎるとそのイメージは壊れやすい。もしあなたが実際にえこひいきをして、ある部下を特別扱いしている場合、言うまでもなくそれ自体が問題行為だ。

必要な時に是正措置が取れなくなる

近すぎる関係構築には、もう一つの微妙ながらも決定的な難点がある。部下のパフォーマンスが振るわず、目標を達成できないような時でも、親しい間柄が邪魔になり、必要なマネジメント上の厳しい決断を下せなくなるかもしれない。すると管理職は困った立場に置かれる。

厳しすぎると感じられ、それまでの関係性に傷をつけかねないような強い行動に出るか。それとも、対策をほとんど取らず、マネジメント上の責任を回避するか──。業績が振るわない人に対し甘い態度で臨むと、他の部下に気づかれ、悪い印象を与えるという問題も生まれるだろう(前出のえこひいきに関する点を参照のこと)。

上記はいずれも、良いマネジメント方法ではない。管理職は「若干の距離感」を保つことで、どんな形であろうと信用低下を避けることができる。特定の部下を他よりも気に入るのは、人間として全く自然なことだ。部下の中には、他よりも人柄や態度が良く、一緒に仕事をして楽しい人がいることは、事実なのだ。

しかし私に言わせれば、これは抗うべき自然の性であり、この衝動からはしっかりと自分を守るべきだ。この気持ちに従うのは楽だが、望ましい結果にはつながらないだろう。

自分のマネジメントのキャリアを振り返ってみると、私はおおむね適切な距離を保ててきたように思う。これは自分の性質や、いくぶん控え目な気質に合っていた。ただ、比較的稀ではあるものの、時には本能を無視して特定の部下とより近い関係を築いたこともあり、そうした時は必ず後悔した。必要な措置を取りづらくなり、関係性が気まずくなった。私は、自分を律して通常の距離を保った方が良かったことを学んだ。

管理職と部下との関係は、デリケートな問題になり得ることは間違いない。なので私は、若干の距離感を保つことが、マネジメント権限を発揮する上で最もシンプルかつ最良な立ち位置だと考える。

編集=遠藤宗生

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