ブレグジットが大きなカギを握る一方で、イギリスのラグジュアリー業界には、ブレグジット後に果たすべき重要な役割があると語るのは、イギリス文化省の芸術・文化遺産・観光担当政務官(minister for the arts, heritage and tourism)マイケル・エリス だ。
エリス政務官は2月5日のウォルポール・サミットでスピーチを行い、イギリスへの投資を強化するためにも、ラグジュアリー企業は、イギリスを訪れる旅行客が「素晴らしい滞在経験を味わえる」よう努めてもらわなくてはならないと述べた。
「そうすれば、国としてのイギリスの魅力が増すばかりか、投資の見通しも上向く。イギリスで楽しい時間を過ごした旅行客は、イギリスのビジネスに投資する可能性が17%高くなることが、統計から明らかになっている」
ウォルポールのブロックルバンクCEOは、文化的要素をもとに国力を評価する「ソフトパワー」(政府、文化、教育、国際参与度などのカテゴリーで評価される) を引き合いに出し、イギリスが現在、ランキング1位であると指摘 。「ラグジュアリー業界はその一端を担っている」と述べた。
しかし、ブレグジット後にも、なすべき仕事は残っているとエリス政務官は述べる。「現在、イギリスを訪れる旅行者のうち、将来的にもイギリスを訪れたいと考える人は、5人のうち1人未満だ。その割合を、4人中1人にできたら、と思っている」