TuSimple創業者の侯暁迪(ホウ・シャオディ)は中国生まれ。上海交通大学でコンピュータサイエンスを学び、2014年にカリフォルニア工科大学でPh.Dを取得した彼は、同社のプレジデントとCTOを兼任している。
今回の調達資金でTuSimpleは現在12台の自動運転トラックを、6月までに50台に増やし、開発チームを増強するとフォーブスの取材に述べた。
2018年12月末に実施した今回のシリーズDラウンドは、中国のSNSの微博(ウェイボー)で知られる新浪(Sina Corp)が主導し、香港のComposite Capitalも参加した。新浪は前回のラウンドに、エヌビディアや英国のZP Capitalらと共に参加していた。
TuSimpleはサンディエゴに米国本社を置き、プロダクト開発及びテスト拠点をアリゾナ州ツーソンに設置している。
同社のプロダクト主任のチャック・プライスは「トラック輸送のオートメーション化こそが、自動運転分野の成長エンジンとなる」と述べる。「旅客輸送の自動運転化は焦点がぼやけており、トラック輸送のほうが経済的に理にかなっている」と彼は述べた。
高速道路の走行に特化した長距離トラックであれば、都市部とは違い歩行者やバイクのような障害物に遭遇する可能性は低い。また、全米トラック協会(ATA)のデータでは、米国のトラック業界は2017年末時点で年間5万人のドライバー不足に悩んでおり、ここにテクノロジーを投入することで、その課題が解決できる。
自動運転トラック分野では、サンフランシスコの「Embark」や「Starsky Robotics」などの競合がひしめきあっている。昨年8月には元グーグル社員が設立した「Kodiak」が、8000万ドルのシリーズA資金を調達している。さらに、今年2月5日には元アップルとグーグル、ウーバーの技術者らが結集して立ち上げた「Ike」が5200万ドルを調達したばかりだ。
TuSimple は今回の資金調達と同時に、トラックメーカーのPeterbiltやNavistarと製造のパートナーシップを結び、パワートレインに特化したCumminsとも提携した。同社は自社ではトラック製造を行わないが、今後もさらなる資金調達を計画中だ。