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Photo by Chris McGrath/Getty Images

今年も「就活解禁」となる3月1日が迫ってきた。

日本特有のシステムである新卒学生一括採用。2021年春入社組から日程ルールを変更するか、との議論もあがっていたが、最終的に現状維持が発表され、しばらくは「3月就活解禁、6月選考開始」で就職活動が行われるようだ。

ルール上では、大学3年生・修士1年生の3月からスタートとなっているが、実態は異なる。経団連に所属していない外資系をはじめとした企業は、夏頃から採用活動を本格的にスタート。経団連に所属している企業でさえも、優秀な学生と早くから接点を持つために動き出す。

たとえば、夏休みに合わせて8~9月頃から各企業が開催する「インターン」は、学生と企業が強い関わりを持つことができる最初の場といえる。学生は自分の思い描く企業を探し、かつ自分のことを知ってもらうために、会社側も自社のことを紹介しつつ、優秀な学生と繋がるために、両者が力を入れて取り組むのだ。

インターン後も、座談会や面談と称した一種の選考活動が行われる。企業によっては、インターン経由で、大学3年生・修士1年生の夏に内定を出すところもある。つまり、3月1日に就活解禁される何か月も前から、実際の就職活動は始まっているのだ。

個人差はあるが、比較的時間に余裕のある文系学生は、こうした世の中の動きに合わせて自由に就職活動を行いやすい。一方理系学生は、研究など学業に費やさなければならない時間が長く、就職活動に多くの時間を割くことができない場合が多い。「研究内容と異なる業界に就職活動しようとすると、担当教授から良い顔をされず、研究室を休むこともままならない」という声も聞くくらいだ。


理系学生は年間を通して忙しい(提供=POL)

POLが公表した、理系学生に関する調査によると、3月や9月は多くの「学会」が開催される。対外的に研究成果を報告できる学会は、研究室一丸となって発表に心血を注ぐため、学会直前や開催中には就職活動に打ち込むことが難しい。


LabBaseユーザー所属学会の開催時期(提供=POL)

3月は就活解禁、9月はインターン、すなわち就職活動の山場ともいえるこの時期に、理系学生は就職活動に多くの時間を割きにくいのだ。

今回データを公表したPOLは、こうした理系学生の状況を踏まえて、理系人材のダイレクト・リクルーティングサービス「LabBase」を展開している。理系学生はこれまでの学業への取り組みや希望する職種など、詳細に自己紹介を記入。それを見た企業が、気になる学生と直接コンタクトをとり、イベント参加や選考を案内することができる。

就職活動に多くの時間を使いにくく、早期から動き出すことが難しい理系学生でも、企業と直接つながることで、効率的に情報を集めながら選考を進められる。自分の詳細なプロフィールを見た上で声をかけてくれる企業とは、マッチングしやすいところも利点だろう。

応募してくれた学生の中から、人材を選んでいくのが新卒採用の慣例なのに対し、「LabBase」は企業側からアプローチできる点が新しい。研究活動を通じて、論理的な思考力を身につけているなど優秀な理系学生は多い。忙しさ故になかなか就職活動の場に赴くことができない、採りこぼしがちな層にアプローチできることは、採用する企業側にとっても有益な話だ。

POL代表取締役CEOの加茂倫明は東京大学工学部の3年生(2019年2月時点)。

「研究室の先輩たちの就職活動を見ていて、研究室での活動と社会のリズムは違いすぎていると感じました。この問題を解決したいと思ったことが、『LabBase』リリースのきっかけです」

人生の中で新卒の就職活動時期ほど、企業が積極的に個人と接点を持とうとしてくれる機会はない。学業に忙しい理系学生も、「LabBase」のような新しいサービスをうまく活用しながら、就職活動に積極的に取り組んでみてはどうだろう。

自分にとってベストな企業に入社することももちろん大切だが、それ以上に、学生のうちに様々な企業を知り、「社会人の先輩たち」の生の声を聞いた経験は、その後社会に出て行く上で活きる、貴重な財産になるはずだ。

文=工藤真由

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