ふくよかで懐の深いシャンパーニュ「ローラン・ペリエ グラン シエクル」

ローラン・ペリエ グラン シエクル(photographs by Yuji Kanno)

祝杯をあげるとき、自分自身の時間を楽しむとき、孤独を噛みしめるとき…… 一杯の酒と向き合う空間に身をおくひとときは、明日への活力となる。傑出した3年分のヴィンテージが完璧に補完しあう、世紀のシャンパーニュ。


ローラン・ペリエとは、1812年に創業され、前会長のベルナール・ドゥ・ノナンクール氏が家族経営にこだわりながらも世界屈指のブランドへと築きあげたシャンパーニュメゾン。現在147カ国に輸出されているが、特に英国王室と親交が深いことで知られ、2011年のウィリアム王子のロイヤルウエディングでは、晩餐会のアペリティフとして「ローラン・ペリエ ブリュット L.P.マグナム」がサーブされた。
 
そのスタイルは「フレッシュ」「エレガント」「バランスのよい味わい」が特徴であり、なかでも「ローラン・ペリエグラン シエクル」はローラン・ペリエの叡智と技術の粋が結晶した1本。

グラン(偉大なる)シエクル(世紀)という名前通り、今世紀を代表する最高峰のシャンパーニュを目指して、1959年に誕生した。当時の「プレステージシャンパーニュとは単一年ヴィンテージ」という風潮のなか、ノナンクール会長が思い描いたのは「マルチ(複数年の)ヴィンテージ、それもさまざまなクリュ(畑)の最良のブドウをブレンドする」という挑戦的なシャンパーニュ。

研究のうえ、繊細な1年、しなやかな強さのある1年、そしてフレッシュな1年という3年分の個性豊かなヴィンテージが相乗効果をもつようにブレンド。ブドウは、シャンパーニュ地方に17カ所しかないグラン・クリュ(特級畑)のうち11のクリュで栽培されたシャルドネとピノ・ノワールを使用、ボトルで8〜10年熟成させるというこだわりの末に傑作「ローラン・ペリエ グラン シエクル」が生まれた。
 
その魅力を「ふくよかで懐の深いシャンパーニュ」と評したのは、和食の名店「銀座小十」店主の奥田透氏だ。

「料理を包み込むようなおおらかさがあり、刺身などの前菜や、焼き物、煮物などとも相性がいいんです。かといって何を合わせてもいいわけでは、決してない。これだけ格が高いシャンパーニュは極上の素材、卓越した調理、選び抜かれた器という舞台を整えてこそ、その魅力が発揮されるんじゃないでしょうか。グラン シエクルを前にしたときは、私も一種の気概をもって臨んでいます」と語る。
 
59年の発売以来、世に出たグラン シエクルのバージョンはわずかに20を数えるばかりだとか。まさに世紀のシャンパーニュといえるだろう。


ローラン・ペリエ グラン シエクル

度数:12%
ブレンド:シャルドネ約55%、ピノ・ノワール約45%
容量:750ml
価格:2万4000円(税抜)
問い合わせ:サントリーお客様センター(0120‐139‐380)*土・日・祝を除く9:00~17:00

photographs by Yuji Kanno | text and edit by Miyako Akiyama

この記事は 「Forbes JAPAN 世界を変えるデザイナー39」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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