米国人が老いる中で直面する大きな課題が孤立と孤独であることは、過去10年間、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者による調査など多くの研究で示されてきた。一部の精神保険の専門家は、孤立と孤独が喫煙や肥満よりも死に至る可能性を高めるとしている。健康的な老後に迫り来る脅威と戦うため、社会では何ができるのだろう?
ハウスシェアは、その解決策として最高のものかもしれない。それなのに、なぜ試してみようという人が出ないのだろう? 原因は、米国にある古くからの厳格な個人主義なのではないだろうか。また、プライバシーに関する懸念や、これまで長い期間行ってきた毎日の習慣に干渉されることへの心配もあるかもしれない。しかし、その考え方をもう一度見直す価値があるのではないか?
高齢者介護紹介サービスを提供するア・プレース・フォー・マム(A Place for Mom)が運営するシニア・リビング・ブログ(Senior Living Blog)で、サラ・スティーブンソンは高齢者の孤立に関し次のような点を挙げている。
・高齢者の孤立は死亡リスクを高める
・孤独感は身体・精神の健康に悪影響を与えることがある
・孤独感の認知は、認知能力の低下や認知症のリスクにつながる
・社会的孤立により、高齢者は虐待を経験しやすくなる
・高齢者の間の社会的孤立は長期的な病気と関連している
・高齢者の間の孤独感はうつ病の主要なリスクだ
・孤独感により、高血圧が引き起こされる
・孤立した高齢者は、長期的なケアを必要とする場合が多い
・孤独な人は、不健全な行動に関わってしまうことが多い
孤立と孤独のデメリットは明白だが、ハウスシェアのメリットは孤独のデメリットをさらに上回る魅力を持っていると私は思う。私はさまざまな形態のコミュニティー形成を熱心に支持している。多くの人と住居を共有すること(退職者のコミュニティーや集合住宅に住むことなど)があまり魅力的に思えない人は、近所に気の合う知り合いを持つことがベターな選択かもしれない。