朝食をとることに減量効果はなし? 近年の研究で議論進む

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この新調査に付随する論説を執筆したキングス・カレッジ・ロンドンの研究者、ティム・スペクターは、人はそれぞれ違うため、自分にとって良いと感じる方を採用するべきだと指摘している。

スペクターによると、誰もが異なる遺伝子、腸内細菌(細菌自体も異なる好みを持つかもしれない)、個人的な嗜好を持っている。そのため、健康な体重を維持したり減量したりしたいと考える人全員に合った一つの解決策があるわけではなく、そうした万能策があると考えるのは愚かなことだ。

「一部の人は朝食を取ることを好むようにできていて、そうではない人もいる。これは各自の代謝に合っているのかもしれない。誰にでも適用できるようなものは存在しない。変化のスピードが遅く、誤った情報にあふれた食生活の指針は逆効果となりつつあり、重要な健康メッセージを損なっている」とスペクターは述べた。

ここで、年配の親戚などから「朝食は1日の中で最も重要な食事だ」と言われたら、それは多くの場合減量の話ではないことを指摘しておくべきだろう。こうした発言の意図は、学校や旅行、遊びなどで忙しい朝を過ごす前に栄養面を強化しておくことであり、この点では朝食を取ることに大きな価値があるかもしれない。英リーズ大学研究者らの調査などからは、朝食を取ることと学校に通う子どもの集中力・成績向上が関係していることが示唆されてきた。その点では、昔からの教えが正しいかもしれない。

ただ大人にとっては、減量を目指すかどうかにかかわらず、自分にとってどちらがしっくりくるかが重要だ。あなたにとって朝食が1日のうち最も大事な食事であれば、そうなのだ。

翻訳・編集=出田静

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