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「水曜日のカンパネラ」のコムアイ(写真=小田駿一)

既存の領域を越境し新たな価値創造を行い、国内外で活躍する30歳未満のイノベーターたち。「ミレニアル世代」とも呼ばれる彼ら、彼女らはどのような原体験を持ち、どんな未来を描いているのだろうか。

起業家、デザイナー、アーティストなど様々な領域の次世代を担う、30歳未満のイノベーターにインタビューを行う連載「NEXT UNDER30」では、昨年8月に開催した「30 UNDER 30」特集で取り上げきれなかった若手のアイデンティティとビジョンを探っていく。

ライブ中に鹿の解体を行い、自身の恋愛観も包み隠さず伝える。代表曲は「桃太郎」。

情報だけをただ並べると、極めて前衛的な印象を与えるアーティスト「水曜日のカンパネラ」のコムアイ。独特の死生観を持ち、小さな社会の常識に囚われない大きな思想を貫いている彼女は、昨年、yahyelとの共作「生きろ。」をリリースした。

1992年生まれ、26歳。すでに国内外に多くのファンを持つ彼女は常に自由奔放で、とらえどころがないように思える。いわゆる歌手でもなければ、単なるパフォーマーでもない。これまでどの時代にも存在しなかった、どのジャンルにもカテゴライズされない「コムアイ」というアイコンの原点を紐解く。

「畑で生きる」っていうオプションは常にある

──コムアイさんの活動は既存のジャンルでは捉えきれないものかなと思いますが、ご自身ではどういう肩書きだと考えているのでしょうか?

歌手かアーティストと名乗っています。日本語のカタカナの「アーティスト」って、ちょっと恥ずかしい気持ちもあるんですけど、逆に助かるんです。ビジュアルだけの作品でも、音楽でも、それ以外の活動でも使えるから。

英語では写真家も映像作家もダンサーも音楽家も、「Artist」って自己紹介する人が多い気がします。日本でよく使われる「クリエイター」はあまり聞きませんね。肩書きは、半分諦めというか、人が印象で呼ぶものだから任せたらいいと思っています。

──日本という枠組みを超えた考え方ですね。

外国人の元恋人や、友達の影響かもしれません。特に去年はすごく増えて、昨日もイスラエル人とフランス人、ポルトガル人、それにおぶちゃん(小袋成彬)と渋谷のBEAT CAFEで飲んでいました。

自分がマジョリティでもマイノリティでもない感覚が心地いいのかもしれない。日本にいて感じる違和感も良いところも共有できてホッとするし、彼らが日本を楽しんでいると私も日本との距離が上手くとれるというか、“とらわれてる感じ”から逃れられるんです。

──自分はマイノリティ、という意識を持っているのでしょうか?

昔から、日本人っぽい感覚がなかったんです。なんかわたしは外から来た気がするというか……なぜ川崎市の宮崎台(出身地)にいるのだろうって。

私、旅行好きの両親に連れられて、3歳くらいまでの間に約10カ国に旅行してるんです。まだ何もわかっていない頃にいろんな国に連れて行かれていました。

数年前からは、その旅の経験が自分の根底にあるかもしれないと意識するようになりました。一カ所にとどまることが苦手なんだなということを自覚したのは、中学生くらいのときでした。

文=長嶋太陽 写真=小田駿一

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