ビジネス

2019.02.12

離婚で財産半減とみられるアマゾンCEO、「7兆円」は取り戻せるか

ジェフ・ベゾスと妻のマッケンジー(Photo by Kevork Djansezian/Getty Images)


eコマースとクラウドサービスの両市場ではアマゾンが優勢であることから、今後も市場シェアを拡大することは可能だろう。ただし、売上高の伸び率を前述のレベルに引き上げるのに十分な成長ができるとは言えない。

また、フェイスブックやグーグルなどとの競争があることから、デジタル広告分野でシェアを大きく伸ばすことも難しいだろう。

2. 2桁台の市場シェアを確保

さらに、たとえ新たな市場への進出を実現しても、それだけで確実にシェアを獲得できるというわけではない。消費者により良いサービスを提供し、競合他社についてよく学び、自社を最も魅力的な選択肢にしなければならない。

アマゾンは多くの業界において、こうしたことを成功させてきた。同社のeコマース市場でのシェアは、調査会社eマーケターによれば49.1%だ。だが、これから売上高成長率を30%に引き上げるためには、ほかの大規模な市場で高い占有率を獲得しなくてはならない。

例えば、売上高を大幅に伸ばすための一つの方法として考えられるのは、米国の処方薬市場でのシェア拡大だ。調査会社IBISワールドによれば、同市場は2.4%の成長率を見せ、4530億ドル規模に達している。

アマゾンはこれまでに、10億ドルでオンライン薬局ピルパック(PillPack)を買収するなどしてきた。だが、それらはドラッグストア大手ウォルグリーンズやCVSヘルス(市場シェアはそれぞれ33%、29%)からシェアを奪うのに十分だろうか?

また、アマゾンが同市場で勝つためには、新たな「スキル」を身に付ける必要があるのではないだろうか──?離婚で失うことになるとみられる資産の半分を再び手に入れるためには、ベゾスはこうした疑問に対し、前向きな答えを示していく必要がある。

編集=木内涼子

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