味覚は記憶を呼び起こす 美味しいだけじゃない「海苔弁」の魅力

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なんということ。我が家が一段であるのに向田流は贅沢にも三段仕立て。そしてフタに海苔が持っていかれないよう、“ごはん粒をひとならべ”するという工夫までなされていたのだ。

これをあの時代のうちの母が読んでいてくれれば(悔し泣き)、というのは冗談だが、海苔弁というミニマルな、そしてストイックな世界の中にも多くのポテンシャルが秘められているというのは、何事にも通じる話かもしれない。

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文=秋山都

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