ビジネス

2019.02.13 11:00

コードレビュー自動化の「Sider」が数億円規模の資金調達──登録者数は約8000名に


まずは狭い領域の中でのナンバー1を狙っていきたい

昨年、サンフランシスコにオフィスを開設し、GitHub Universe 2018にブースを出展するなど、本格的に海外展開を始めたSider。数ある都市の中からサンフランシスコに進出した狙いを角はつぎのように語る。

「GitHubユーザー(法人利用)の4分の3はアメリカにおり、その中でもニューヨーク、サンフランシスコは特にユーザーが多い都市です。この2つの都市の中からサンフランシスコを選んだ理由は3つあります。それはタイムゾーンが日本に近いこと、Siderが最初にサポートし注力している言語のRubyが流行っている地域であること、競合のCode Climateなどがニューヨークに拠点を置いていることが挙げられます」

東京・サンフランシスコにおける今後の事業戦略は、具体的に導入して欲しい企業に対してオフラインマーケティング、セールスなどでアプローチし、顧客を獲得していくという。

「その後はそれらの企業内のユーザーが、転職や、イベントなどでの発信によって、Siderを広めてくれることを期待しています」

実際、日本ではバイラル・マーケティングの効果が出ているそうだ。それ以外の国、地域についてはGitHubのリセラー、ディストリビューターと提携し、既存の顧客に対し、Siderを販売していき、一緒に顧客を教育する予定とのこと。

「クラウド版のSiderのセルフサーブの販売も継続しますが、開発者を多く抱えている大手の企業に特に焦点を当てる予定です。大手企業からの売上と、その開発者からのバイラルを得ることにリソースを集中していきます」

将来的にSiderは「開発者向けのSaaS企業として、アトラシアンやNewRelicなどのユニコーン企業のように成長し、世界中の開発者を支援できるようになりたい」とした上で、角は直近の目標をつぎのように語った。

「Siderの解決しているコードレビューに関する課題は世界共通、地域に依存しないものです。すでにお客様の20%以上は海外企業であり、所属している国も散らばっています。このまま、より速い速度で、世界各国で使われるようにしていきたい。まずは狭い領域の中でのナンバー1を狙いたいと考えています」

文=新國翔大

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