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インターネット利用者の大半は、個人のデータがパーソナライズド広告に用いられることが、倫理的に誤りだと感じている。さらに、フェイスブックやツイッターなどに流れる、パーソナライズされたニュースフィードが、非倫理的だと感じるユーザーも76%に及んでいることが明らかになった。

これはセキュリティ企業RSAが、欧州と米国の成人6000名を対象に実施した調査で明らかになった結果だ。この結果は、大手のソーシャル企業にとって決して好ましいものではない。

「企業が倫理的なやり方で、個人データを利用する方法もあると考える回答者は、全体の48%しかいなかった」とRSAは述べている。また、ハッカーの攻撃によってデータが流出した場合、非難されるべきは企業であり、ハッカーではないと回答者らは述べたという。

しかし、ここで気になるのは、プライバシー保護にそこまで神経を尖らせるのであれば、人々はなぜサービスの利用をやめないのかだ。この疑問に対する欧州の規制当局の回答は「人々には、選択肢がないからだ」というものだ。

ドイツの独占禁止法当局の連邦カルテル庁は2月7日、フェイスブックが独占的な地位を乱用し、利用者らに個人データの提供を強制していると述べた。「フェイスブックは利用者が同意のもので、データ提供を行っていると主張する。しかし、利用者には選択肢が与えられておらず、これは自発的合意とはみなされない」と、連邦カルテル庁のAndreas Mundtは述べた。

ヨーロッパの人々が米国人よりもプライバシー意識が高いことは、以前から指摘されていた。「欧州ではGDPR(一般データ保護規則)の議論が高まる中で、ドイツ人のプライバシー意識は以前より高まった。個人の位置データを守りたいと答えたドイツ人の割合は2017年には29%だったが、2018年には42%まで上昇した」とRSAは述べている。

テック企業が、個人データを倫理的な方法で利用可能だと考える米国成人の比率は60%となっている。しかし、この数字はドイツ人の間では43%にとどまっている。他の欧州諸国でも同様で、英国では48%、フランスでは45%となっていた。

広告業界の一部からは、現在のパーソナライズド広告はもはや有効ではなく、コンテキスト重視型の広告のほうが有効であるとの指摘もあがる。しかし、そういった議論よりも重要なのは、デジタル広告業界が消費者の意識の高まりにふさわしい、新たな基準を打ち出していくことだとRSAは述べている。

「テック企業らは、消費者のプライバシーの保護に向けた施策を、より強化すべきだ。それによって、企業はユーザーとのつながりを深め、ビジネスを成長させることが可能になる」とRSAは指摘している。

編集=上田裕資

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