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2019.02.09

アマゾンらが600億円注ぐ自動運転「オーロラ」のポテンシャル

Flystock / Shutterstock.com

自動運転分野のスターエンジニア3名が結集して創業した「Aurora(オーロラ)」が、5億3000万ドル(約580億円)以上の資金を調達した。出資元にはアマゾンも加わった。

Auroraを創業したのは、グーグルの自動運転プロジェクトの元責任者のクリス・アームソンだ。今回の同社のシリーズB資金調達はセコイア・キャピタルが主導し、アマゾンやT. Rowe Priceも参加した。

セコイアのパートナーのCarl EschenbachはAuroraの取締役会に加わり、Mike VolpiやIan Smith、Greylockのパートナーでリンクトインの共同創業者のリード・ホフマンらとともに同社の経営に参画することになる。

Auroraの累計資金調達額はこれで6億2000万ドルに達し、自動運転分野で最も多額の資金を調達した企業の一社となった。同社は昨年3月のシリーズAラウンドで、9000万ドルを調達していた。

自動運転分野でAuroraがユニークなのは、先端的なAIやソフトウェア技術を持ちながら、独自の自動運転車の開発プランを持たないことだ。同社は他の大手企業に自動運転ソリューションを提供することに特化しており、既にフォルクスワーゲン(VW)や現代自動車、「中国のテスラ」と呼ばれるBytonらと提携を結んでいる。

アームソンは「アマゾンのような偉大なテクノロジーが出資に参加してくれたことは、非常に喜ばしい」と述べたが、アマゾンとの取り組みが具体的にどのような成果をもたらすかについては、言及していない。

アマゾンは同社の自動運転領域に関する取り組みを、これまであまり明らかにしてこなかった。しかし、同社の広報担当はフォーブスに次のようなコメントをEメールで寄せた。

「当社はイノベーティブで顧客にフォーカスした企業への投資機会を、常に探っている。Auroraはまさに我々が求めていた企業だ。自動運転テクノロジーは当社の従業員の業務を安全にし、効率を高めるポテンシャルを秘めており、配送センターやロジスティクスでの活用も想定できる」

アマゾンの広報担当は、今回のAuroraへの出資が、同社としては初の自動運転関連企業へ出資であるのかどうかについては、確認を拒否した。

Auroraを創業したのはアームソンに加え、テスラのオートパイロット技術の元開発責任者のスターリング・アンダーソン、ウーバーのAdvanced Technology Center出身のドリュー・バグネルらだ。

「自動運転テクノロジーによって道路交通の安全性は劇的に高まり、輸送の効率性もあがる。人々の暮らしを変えるテクノロジーを導入していきたい」とアームソンは述べた。

編集=上田裕資

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