実際、次期V38型のスカイラインは2020年に登場するそうだが、日産は今まで日本国内のライナップにはなかった400psのエンジン仕様を生産する。つまり、このバージョンを出す時にこそ、日産が得意の技術力を見せつける「可変圧縮比エンジン」が主役となるわけだ。
それがどういうことかと言うと、電動化の時代に向けて進んでいると見えても、日産は可変圧縮比エンジンという技術によって、 ガソリン・エンジンを存続させようとしているのだ。そして、スポーツカーのファンが実際に乗りたがるスカイラインを作ろうとしていることが見えてくる!
しかも、Qコンセプトの格好よくて未来的な外観が、実は、次期スカイラインの心臓部であるガソリンターボを包むボディになるだろうと予想される。 コンセプトは、まるで名画「2001年、宇宙の旅」のセットにインスパイアされたかのような、無駄を省いたクリーンなデザインだ。
近未来的なQデザインには抵抗を感じる人もいるかもしれないが、デトロイトに集まったメディアの間ではかなりヒットしていた。そこまで先進的なデザインが、来年出る予定の400psスカイラインに採用されるわけではない。が、これはかなり魅力的な車両になるのではないか。
実際に Qコンセプトが店頭に並ぶ時には、デザインの激しいエッジの効いたスタイリングは当然、和らげられているけどね。室内のデザインもQコンセプトとは違って、これほど未来的ではなく、主張は抑えた仕上がりとなるだろう。
それでも、次期スカイラインは巨大なグリルやエアダム、低いクーペ的なルーフラインを持ち、ポルシェ・パナメーラやアウディA7、メルセデスCLSクラスをターゲットにすることになるはずだ。
今予想できることは、次期スカイラインがインフィニティの未来的なデザインをまといつつ、日産の現在のガソリン・エンジン技術を進化させて搭載するだろう、ということ。そして、いくら世界が電動化と言ってはいても、やはりまだガソリン・エンジンへの期待を無視することはできないということだ。
ファン待望の400psスカイラインの登場を、首を長くして待つことにしよう!
国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
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