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ブラジル発のモビリティ系スタートアップ企業として注目を集めているのが「Grow Mobility」だ。

これまで「Yellow」という社名で自転車及び電動スクーターの、ドックレス型シェアサービスを展開してきた同社は、メキシコの電動スクーター企業「Grin」と合併を果たし、ラテンアメリカを飛び出しグローバル展開を開始する。

Grow Mobilityは合計で13万5000台の車両をラテンアメリカの6カ国で展開し、過去6カ月の乗車回数は270万件に達している。同社のブラジル本社取締役のMarcelo Loureiroによると、Growは今年中に米国と欧州でサービスを開始するという。

「Grinと合併を果たしたことで、僕らはラテンアメリカ市場の主要プレイヤーとなった。交通インフラが未整備な母国で成功を収めた後、グローバル展開を加速させていく」とLoureiroは話した。

YellowとGrinの2社は2018年の設立で、極めて速いスピードで成長を遂げた点で共通している。

Yellowはブラジルで初めてのマイクロモビリティ企業として、注目を集め、昨年9月には6300万ドル(約6.9億円)のシリーズA資金をGGV Capitalらから調達した。一方で、Grinも10月に4570万ドルを調達していた。

その後、12月にYellowとGrinのトップたちが会談し、その数週間後には合併を決定したという。「マイクロモビリティ分野で最も重要なのは、迅速な決断だ。判断が遅れるとたちまち市場に飲みこまれてしまう」とLoureiroは述べた。

Grow Mobilityは今後、サンパウロに新たなオフィスを構え、2社から合流した1100名がそこで働くことになる。同社は今後、ブラジルかメキシコのどちらかに、車両の製造工場も構える計画だ。

同社のサービスの強みは銀行口座やクレジットカードを持たない人々に、デジタル決済の手段を与えることだ。Growのアプリは現金でポイントをチャージできる。

「アプリ内のポイントをEコマースとも連携させていく。銀行口座やクレジットカードを持たない人たちに、様々な金融サービスへのアクセス機会を与えたい。モビリティの企業というよりも、フィンテック企業と名乗ったほうがいいかもしれない」とLoureiroは話した。

Growは今後の数カ月で車両台数を2倍に増やし、オンデマンドの生鮮食品の宅配企業の「Rappi」とパートナーシップを結び、フードデリバリーにも進出する。

「自転車やスクーターのシェアサービスを通じて、人々の間に共通の価値をシェアさせていきたい。社会の現状を変えていくことが自分たちの使命だと信じている」

編集=上田裕資

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