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経済学においてはばかげたものと言える「現代金融理論」について、聞いたことがあるだろうか。政府は公共の利益に必要なための通貨を必要なだけ発行すればよいため、政府の債務について心配する必要はないというものだ。

この考え方の重要な点である国債の貨幣化には、富裕層への増税を主張するアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(民主党)と、その支持者らの主張と共通するところがある。

同議員らは自らの提案(大学の無償化など)を実行するためとして、富裕層への増税を主張している。だが、増税を実現しても、たとえ富裕層が持つ全てのものを取り上げたとしても、彼女たちの提案を実行するのに十分な財源を得ることはできない。

帳尻が合うことはないのだ。そのため政府の借金は増え続け、結局は国債を貨幣化することになる。これこそまさに、日本が行ってきたことであり、「一見」成功しているように見えることだ。

高まる不安定性

次のリセッションが起きれば、米国の政府債務はそれから3年以内に、容易に30兆ドルに達するとみられている。

そして、私たちが経済に関する「新たな実験」を始めようとするうちにも、すぐに次の景気後退期がやって来るだろう。そうなれば、市場はますます、苦しむことになる。債務は40兆ドルを超えると予想される。

技術の発展が雇用を奪う中で景気が後退して失業率が上昇すれば、現在すでに見られる政治的な緊張は、さらに高まることになる。経済と政治に関する歴史に学ぶことは、一層重要になるだろう。

一方、投資家が過去の例を参考にポートフォリオについて検討しようとすれば、落胆することになる。私たちは、過去に全くない例のない経験が待ち構える時代に突入しようとしているからだ。

かつて労働人口の80%を占めた農業従事者の割合は、現在は1%程度にまで減少している。これは何世代、何百年という時間をかけて起きた変化だ。だが、私たちは幾つもの産業において、十数年のうちにこうした大幅な変化を目にすることになると考えられている。

投資においては今後、何を重視していくべきだろうか。一つ言えることは、向こう10年間はボラティリティーが一層高まるということだ。投資して長期保有することの危険性も高まる。アクティブ運用が再び鍵を握ることになるだろう。

編集=木内涼子

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