Nanigansは今回の調査を、年間のインターネット経由の売上が5000万ドル以上の100社を対象に実施した。
この結果は、アマゾンの広告事業の好調ぶりと合致するものだ。アマゾンが先日発表した2018年第4四半期(10〜12月)の決算で、デジタル広告が大半を占める「その他」部門の売上は、前年同期比で約2倍の伸びとなっていた。
Nanigansの調査で、小売業界のマーケティング担当者らは昨年、広告予算の14%をアマゾンに支払っており、彼らの半数が今年はさらにアマゾンへの支払い額を増やすと回答した。
アマゾン向けの予算を増やすと答えた回答者の、29%がグーグル向けの予算を減らすという。また、34%がフェイスブックやインスタグラムに支払っていた予算を減らすと答えた。
「アマゾンは広告プラットフォームとして独自の優位性を築き、アドネットワークやマーケットプレイス機能も備えている」とNanigansのRyan Kellyは述べた。
小売業の広告主らがアマゾン向けの広告費を増やす背景には、3つの要因があるとKellyは話す。
まず第1に、アマゾン向けの広告予算を増やすことで力強いリターンが得られる点。次に、アマゾンの米国のプライム会員は1億人以上となっており、膨大な顧客にアピール可能な点。さらに、アマゾンの顧客らが非常に活発に買い物を行っていることが3点目にあげられる。
一方で広告主たちは、彼らがアマゾン向けの支払い額を増やすことで、将来的にアマゾンが彼らよりも優位に立つことを懸念している。
「アマゾンに対する投資は確実なリターンをもたらす一方で、マーケティング担当者の40%はアマゾンが過剰なデータを握っていると考えている。また、担当者の31%はアマゾンが自社の競合であると感じている」とNanigansは分析している。
つまり、ブランドたちは悪魔と取引をしていることになる。
広告主たちは他のプラットフォームとしては、ツイッターに11%、マイクロソフトのBingに10%、スナップチャットに7%、ピンタレストに7%の予算を注いでいた。
ここで興味深いのは、ピンタレストの地位が低すぎることだ。プロダクトにフォーカスしたプラットフォームであるピンタレストは、もう少し広告売上を伸ばせても良さそうに思える。