名作モデルがアップデート 進化する腕時計とブランドヒストリー|Vo.2

BREITLING Navitimer 8 B01 Chronograph 43


15/20 TUDOR Black Bay Bronze

2018年、長年待望とされていたチューダーが遂に日本に上陸した。このブランド名は、15~16世紀にイギリスで絶対王政を確立したチューダー朝からのもの。「ブラックベイ」は、60年以上にもわたるチューダーのダイバーズウォッチの歴史を集約したコレクションであり、いまもなお進化し続けているコレクションだ。

防水性能200m、パワーリザーブ約70時間は十分な数値。海でも安心して使用できる。この「ブラックベイ ブロンズ」は、美しいブロンズカラーによって独特のレトロ感を漂わせる。そこにドーム型の風防、特徴的なリュウズが加わって、さらにそれは加速する。ファブリックストラップもヴィンテージ感がありいい雰囲気だ。

ケース素材:ブロンズ

ケース径:43mm

ムーブメント:自動巻き キャリバー MT5601
価格
:39万円
問い合わせ:日本ロレックス 03-3216-5671

チューダーが誕生したのは1926年。創立者はロレックスと同じハンス・ウイルスドルフ。当初はロレックスで採用しているオイスターケースなど共通のパーツもあったが、2007年のブランド・リローンチ後はムーブメントを自社開発・製造し、フランスの伝統的な飾り紐会社が織るファブリックストラップを採用するなど、独自性と品質の追求を行っている。日本でも2018年から正規販売がスタート。今後の展開が注目されるブランドだ。

16/20 SEIKO Astron 5X Series SBXC003

遥か2万km上空にある4基以上の
GPS衛星からのシグナルをキャッチし、緯度、経度、高度を特定、地球上のどこでも正確な時刻を知ることができるGPSソーラーウォッチである。つまりこのアストロンは世界に39あるタイムゾーンすべてに対応し、ボタン操作ひとつで正確な時間を知ることができるのだ。

しかも、この新作では最短3秒で時刻情報を取得でき、運針速度も劇的に向上している。また“ソーラー”なので、パネルによる発電とリチウムイオン2次電池により、電池を交換しなくても光が当たっている限り動きつづけるのだ。これも新規開発した超低消費電力のGPSモジュールにより、小型化に成功。ケース厚12.2mmという薄さを実現した。

ケース素材:チタン
ケース径
:42.9mm

ムーブメント:クォーツ キャリバー 5X53

価格:23万円
問い合わせ:セイコーウオッチ お客様相談室 0120-061-012

セイコーのルーツである服部時計店が創業したのは1881年のこと。以来、セイコーの歴史は、日本の時計史といっても過言ではないだろう。1960年には「スイスの高級品に挑戦する国産高級品」を掲げ、グランドセイコーを発表。そんななか、69年には世界の時計界に衝撃ををもたらしたクォーツ式腕時計を開発した。長い時計史においてエポックメーキングとなった革新的モデルの名は「クオーツ アストロン」であった。

17/20 GLASHUTTE ORIGINAL Senator Cosmopolite

世界を旅する人々に向けたグラスヒュッテ・オリジナルの新作「セネタ・コスモポリト」。新しい「キャリバー89-02」を搭載した意欲作だ。世界36都市の時間帯を表示するダイヤルは読み取りやすく、ホームタイムとローカルタイム2つの時刻を同時に表示することができる。

8時位置の窓には、サマータイム(DST)、標準時刻(ST)が置かれ、都市名は主要国際空港を示すIATAコードによって表示される。ダイヤルは、ラッカー仕上げのシルバーグレイン。そこにブルーのアラビア数字が配されている。数字は12時位置のホームタイム・ダイヤルの中央縦軸に対称に並べられ、中央には時分針、6時位置にスモールセコンドが置かれている。

ケース素材:ステンレススティール
ケース径:44mm

ムーブメント:自動巻き キャリバー 89-02
価格:255万円
問い合わせ:グラスヒュッテ・オリジナルブティック銀座 03-6254-7266

1845年、ドイツの古都ドレスデンに近い小さな町グラスヒュッテで創業。以来ドイツ時計産業の中心地として栄えたが、第二次世界大戦後グラスヒュッテの時計産業は東ドイツに接収され、グラスヒュッテ国営時計工業に統合される。ベルリンの壁が崩壊し、1994年にグラスヒュッテ・オリジナルとして再スタートしたこのブランドは、伝統的な時計作りを続けながら、技術革新にも意欲的な同社ならではのモデルを作り続けている。
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text by Ryoji Fukutome

この記事は 「Forbes JAPAN 日本の起業家」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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