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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

2017年の東京モーターショーで発表されたコンセプト車

まるでジグソーパズルみたいだ。数年前からスバルがハイブリッド作りに挑んでいるけど、どこまで進められたか、日米での開発状況や市販モデルを同時に見なければ、そのパズルの全体像が見えない。でも、その真実を探ってみると、次期WRXのPHEV仕様に生まれ変わることがわかる。

スバルが2013年にXVハイブリッド、いわゆるマイルドハイブリッド車を出している。言い換えれば、なんちゃってハイブリッドだった。逆に、ハイブリッドというより、「電動アシスト付きガソリンエンジン」と呼んだ方が正しいような気がする。同ハイブリッド車のメリットは、静かなEV走行ができるというより、 あくまでも燃費効果で、XVが登場した当時、20km/Lとガソリン仕様より30%ほど伸びていた。

それはある意味で、「4WDの走りは楽しいけど、燃費がライバル車と比べてそれほど良くない」スバルにとって大きな進歩だった。水平対向エンジンと4WDシステムという独自の技術をずっと培ってきたスバルから見れば、XVのハイブリッドも独自で開発しなければならない。同車はハイブリッド第一弾というか、最初の実験だった。

あれから5年。2018年に発売されたXVやフォレスターには、2013年のマイルドハイブリッドを進化させたe-Boxerシステムが追加された。つまり、バッテリー容量が上がり、性能も向上され、燃費も2割ほど良くなった。

正直にいうと、この進化は確かに意味のあるものだけど、昨年末にアメリカに登場したモデルからは小さな一歩にしか感じない。というのは、昨年12月、ほとんどの日本人が知らないうちに、実はアメリカでスバルが描く理想的なハイブリッド車が登場した。これはマイルドではない。



クロストレック(日本名XV)ハイブリッドは、本格的なプラグイン・ハイブリッド、いわゆるPHEVだ。アメリカの同僚が書いた試乗記を読むと、その性能の良さと燃費の両立が目立つので、日本で乗れないのは悔しい。多くの国内のスバリストから悲鳴が聞こえてきそうだ。

同僚が言うには、この2LのPHEVは、「実はトヨタ・プリウスのTHS IIのハイブリッド・ユニットをベースにしたシステムだけど、スバルは独自にアレンジしてパワートレーンを載せている」らしい。やはり、水平対向エンジンと4WDの技術をもつスバルは、トヨタからハイブリッド・システムを使わせてもらっても、そのユニーク性を保つために、ほかのカーメーカーが利用しないエンジンやミッションに合わせるしかない。

そこで、プリウスの前輪駆動とは対照的に、スバルは会社の使命である4WDに仕上がるように、ミッション・ケースに2つの電気モーターを搭載してコンパクトに効率のいい4輪駆動システムを実現したのだ。同僚によると、28kmもEV走行ができるし、コーナリング性能も今までのスバルらしいトラクション抜群のパフォーマンスを実現にしていると言う。

文=ピーター・ライオン

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