ビジネス

2019.02.07

「生産地獄」を生き抜いたテスラ、労働環境の改善を発表

Photo by Sean Gallup/Getty Images


労働者の多くは「製造業を未経験」

カリフォルニア州労働安全衛生局は、2018年にフリーモント工場に対して8項目に及ぶ調査を実施し、3項目について違反しているとして罰金を言い渡した。テスラは罰金の支払いに異議を唱えている。

マスクは、2017年の労災発生数が業界平均を少し上回ったことを受け、2018年6月に開催した年次株主総会では、「業界平均を6%下回る水準まで改善した」と述べていた。しかし、年間ベースではそれよりも悪化する結果となった。

Shelbyの指揮のもと、フリーモント工場では労災の削減に向けて安全専門員を10名以上増員した。Shelbyはまた、全ての職級の従業員に対して問題や潜在的な危険を報告することを奨励している。

ワシントンに本拠を置くセーフティ・コンサルタント会社「ORC HSE」のRich Fairfaxによると、テスラが新規で採用した労働者の多くは製造業で務めた経験がないという。ORC HSEは、2018年にテスラに依頼され、フリーモント工場の評価を行っている。「製造業は、スターバックスをはじめとする小売業とは大きく異なる」とFairfaxは指摘する。

Fairfaxは、労働安全衛生局に35年勤務した後、2013年に退局していた。彼は、新規雇用した従業員に対し、慣らし期間を最大1ヶ月設けるべきだとテスラにアドバイスする。

「従業員が新しい仕事に慣れるまで辛抱し、慣れた後も過剰に働かせなければ怪我をせずに済む。テスラはこの方法に強い関心を持っているようだ」とFairfaxは語った。

編集=上田裕資

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