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I write about diversity and inclusion in and out of the workplace.

Rosalind Brewer(Photo by Paul Morigi/WireImage for Tommy Hilfiger)

アマゾンの取締役会は、現状では全メンバーが白人だ。しかし、ダイバーシティ推進へのプレッシャーのなかで、アマゾンが新たに黒人女性を幹部に迎えることが明らかになった。

現在スターバックスのCOOを務めるRosalind Brewerが、アマゾンの取締役会に加わることが決定した。同社の取締役会は現在10名で構成されており、Brewerはそこに4人目の女性として、また、唯一の黒人として加わることになる。

Brewerは会員制スーパーマーケットのSam’s Clubの元CEOとしても知られている。アマゾンが黒人女性を取締役会に迎えるのは、これで2回目だ。同社の初の黒人女性取締役は、Genentechの元プレジデントでCOOのMyrtle Potterで、彼女は2009年まで取締役を務めていた。

アマゾンはここ最近、株主や人権団体から女性や非白人のメンバーを経営陣に迎え入れるよう要請を受けていた。昨年、世界最大の資産運用会社のブラックロックは、役員会の女性数が2名以下の投資先企業に対し、ダイバーシティ推進に向けた努力を行うように要請した。

米国政府は連邦レベルでは企業の役員会のダイバーシティ規定を設けていない。しかし、カリフォルニア州は昨年、同州に本社を置く上場企業に対し、2019年内に最低1名の女性を役員会に加えることを義務づける法案を可決した。

米国ではここ数年で企業役員のダイバーシティは向上しているものの、フォーチュン500企業の役員会における、人種的マイノリティ女性の比率は5%以下となっている。

アマゾンは昨年、同社の企業統治ガイドラインに変更を加えた当時から、Brewerへの呼びかけを開始していたという。「巨大多国籍企業のリーダーシップを担った経験を持つ、Brewerは当社の役員として理想的な人物だ」とアマゾンの広報担当は述べた。

アマゾンは「長期的視野に立ち、今後もダイバーシティへのコミットメントを高めていく」と述べたが、同社の努力はまだ十分ではないと指摘する声もあがる。

企業エグゼクティブに特化した求人企業「Koya Leadership Partners」の創業パートナーのMolly Brennanは「非白人の役員を一人か二人、加えただけでは大きな前進とはいえない。うわべだけの差別撤廃では意味がない」と述べる。

フォーブスの「最も影響力の高い女性」にも選出

少数のマイノリティを役員会に迎えても、全体のパワーバランスに変わりはないというのが、Brennanの主張だ。しかし、企業の間からは、役職に見合う資質を備えた非白人の候補者を探し出すことは、現実には難しいとの声もあがっている。

ただし、企業のトップの大半を白人男性が占めている中で、彼らが新たな候補者を選ぶ際、自身につながりの深いコミュニティから選抜を行う傾向があるのは事実だ。テック業界においては、この傾向はさらに強く、閉じたサークルの中で役員の選定が繰り返されている。

Brewerは昨年のフォーブスの「世界で最も影響力の高い女性(Most Powerful Women list)」のビジネス部門にも選ばれていた。彼女がアマゾンの役員会に加わったことは、企業のダイバーシティ推進への取り組みが、少なくとも一歩前進したことを示している。

「米国の若い世代、特にミレニアルたちは、成功した企業のあるべき姿について、これまでの世代とは異なる理想像を描いている。テック業界はマイノリティの声にもっと耳を傾けるべきだ」とBrennanは話した。

編集=上田裕資

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