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I deal with the rocky road to our modern understanding of earth

Andreea Prodan / shutterstock

地球はきわめて活発な惑星だ。海底の山脈ではマントルが沸き上がって新たな岩石が形成され、地殻を押したり引いたりしている。2つのプレートが衝突する部分では一方が他方の下に潜り込んでマントルの中に沈み、再び溶ける。

このプロセスによって地殻は常に新しく生まれ変わっている。そのため、地球上のほとんどの岩石は今から2億年前に形成されたものだ。地球誕生から40億年前までの5億年間を指す冥王代(めいおうだい)の岩石が残っているケースは極めて稀と言える。

これまで地球最古の岩石とされていたのが、カナダ北西部にあるアカスタ片麻岩(へんまがん)で、約40億3000万年前のものと推測されている。1980年代に発見され、近くを流れるアカスタ川からその名がつけられた。地質的に比較的安定したカナダ盾状地(たてじょうち)に位置しているため、これほどの長い間にわたり状態が維持されていた。

そんな中、1971年のアポロ14号の宇宙飛行士たちが月で採取した角礫岩(かくれきがん)が、40億年以上も前の地球の石だったという論文が発表された。月から持ち帰られたこの石は地球上でも最も古い岩石だった可能性が高い。

学術誌「Earth and Planetary Science Letters」に発表された論文によると、この石はクオーツや長石(ちょうせき)を豊富に含んでおり、その珍しい化学成分から、月では考えられないような圧力や温度により誕生したと推測される。

この石を月で形成するためには、160キロメートルほど地中にある必要がある。しかし、それほどの深さから石を押し上げるような地質的メカニズムが月には存在しないのだ。

一方で、地球では地中約18キロメートルで条件を満たすことができる。地球であれば、噴火などでその深さで形成された岩が地表に出てくることもあるだろう。そのため、月から持ち帰られた角礫岩がもともと地球に存在したものだと論文では結論づけられている。

今からおよそ40億年前の地球に隕石が衝突し、地殻の物質が宇宙に吹き飛び、月まで届いた。そして1971年2月、月面で地質調査を行っていたアポロの宇宙飛行士がそのかけらを採取し、地球に持ち帰ったのだと考えられている。

編集=上田裕資

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