ビジネス

2019.02.11

「ビジネス x デザイン」を牽引する日本のデザイナー4人

イラストレーション=フィリップ・ペライチ

デザインのリーディングカンパニー・良品計画のアドバイザリーボード、世界的デザインファーム・ペンタグラムのパートナーなど、世界で躍動する日本人を紹介。


原 研哉 / グラフィックデザイナー

日本デザインコミッティの理事長を務める原は、1983年日本デザインセンターへ入社、現在は同社代表に就任。その後、無印良品アートディレクション、代官山蔦屋のVI(ビジュアルアイデンティティ)、EXPO2005愛知公式ポスター、長野オリンピックの公式パンフレットなど、彼が手がけた作品は私たちの生活に溶け込んでいる。

そんな原が考えるデザインとは、「モノの本質を見極め、可視化する」こと。2003年に発刊され、長く愛される著書「デザインのデザイン(岩波書店)」では、著者メッセージにて「デザイン家具」や「デザイナーズホテル」といったものを例に挙げ「デザインではないものが『デザイン』と呼ばれている。似ているものがそう呼ばれるなら仕方ないが、その本質とは逆のものが『デザイン』と呼ばれはじめると心穏やかではない」と警鐘を鳴らす。

現在、原が手がけるのは、単なる「モノのデザイン」に留まらない。最近では18年7月、サンパウロ、ロサンゼルスに次ぐ世界3館目となるジャパン・ハウスがロンドンにオープン。原は、その総合プロデューサーを務めプロジェクト全体のブランド構築を担当。いまや日本のデザインや文化を、純度高く世界に発信する役割も担っている。

小池一子 / クリエイティブディレクター


いまや世界中で愛されるブランド「無印良品」の礎を築いた人物の一人。小池は60年代前半にキャリアをスタート。広告企画等の事務所を設立し、パルコや西友などのコピーライティングや企画を担当した。

76年にキチンを創業し、現在もファッション、アートなど幅広いテーマで企画・展示を行う。80年代にはセゾングループ創業者の堤清二、グラフィックデザイナーの田中一光らと共に無印良品のコーポレートアイデンティティを策定。日本人の美意識に基づく小池のクリエイションは、単なる広告ではなく、我々の生活に根付く理想郷を具現化している。

深澤直人 / プロダクトデザイナー

深澤がこれまで手がけてきた領域は、世界各国の有名ブランドのデザインや家具、インテリア、携帯電話から文房具まで多岐にわたる。最近では、自身がデザインを手がけたマルニ木工の「HIROSHIMAアームチェア」が、Appleの新本社ビル「ApplePark(カリフォルニア)」に数千台導入された。

また、Alibabaが設立したアジア最大のショッピングサイト淘宝網(Taobao)が持つプライベートレーベルのマスターラインである「生活分子系列」 のプロダクトデザイン、および監修などを担当。多摩美術大学教授、日本民藝館館長、良品計画アドバイザリーボードなどを務める。

スズキユウリ / サウンドアーティスト

2018年11月、世界最高峰のデザインファーム・ペンタグラムのパートナーに就任した日本人、それがスズキユウリだ。1999年から05年まで、アートユニットである明和電機メンバーとして活動したのを機にロイヤル・カレッジ・オブ・アートへ入学。以来、拠点をロンドンに移しサウンドアート作品などを多く手がけてきた。

そんな彼にペンタグラムへ加わった理由を聞くと「これまでの蓄積を別のフォーマットで見せたい」と話す。「デザインとは、生活の提案。ペンタグラムはそこが強い。だから、サウンドという新たなアプローチで挑戦してみたいんです」。

編集=Forbes JAPAN 編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 世界を変えるデザイナー39」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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