「信頼感の欠如」では済まない米中間の本当の問題

Faheem Rahput / shutterstock.com


組織的攻撃を続ける中国

こうした中国の攻撃的な行動のリストを前に、両国間の問題を単なる「信頼感の欠如」と呼ぶのは明らかにばかげている。

ドナルド・トランプ米大統領が、中国が取ろうとしている行動についてさまざまなことを述べ、中国政府に貿易と航海に関する国際的なルールを守らせるために同国との貿易を制限してきたことは、評価できる。これらはある程度の効果をもたらしている。米国が課した関税だけが理由ではないが、中国経済は大幅に減速している。

また、中国経済は市場経済のように語られることも多いが、同国政府が報復措置として米国産の大豆に関税をかけた直後に、米国からの大豆の輸入がほぼゼロになったことを考えてみてほしい。

これは、米国が中国からの輸入品に課した10%の追加関税への反応だったのだろうか。それとも、米国産大豆を輸入してはいけないという政府の支持によるものだろうか。筆者は後者だと考える。市場経済という言葉が実際には、法の支配を尊重しない一党体制の国には当てはまらないことを示している。

つまり、コーエン教授の考えに対して筆者が言いたいのは、(米中間の問題は)信頼感の「欠如」ではなく、中国から米国の国民と企業、雇用への組織的な攻撃だということだ。こうした攻撃は中国を、米国にとって信頼に値しないものにしている。

再開された米中間の貿易に関する協議が、中国に対する米国の信頼の回復に役立つことを願いたい。だが、実際にそうなるかどうかは非常に疑わしい。

編集=木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事