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産業イノベーションと世界の自動車産業に関する執筆を担当。

2013年のサミットにて - Picture by Dan Taylor/ Heisenberg Media/ Flickr



 テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOはデトロイトで行われたカンファレンスで講演を行い、自動車メーカーは電気自動車への投資をもっと増やすべきだと主張した。テスラは2025年までに200万台の電気自動車が生産可能な体制をつくる予定。これを実現するには中国、欧州、そしてアメリカにも第2の工場が必要になってくるが、おそらく東海岸に工場を建設するだろうと述べた。

 このような生産体制は、現時点で年間3万台の生産に留まり、未だに利益も出ていないテスラには大飛躍といえよう。マスク氏によれば、テスラは新型車の開発と生産能力の拡張にかなりの資金を投入したために「キャッシュ・フローはマイナス」。また、テスラは20年までには50万台を販売する計画を順調に進めており、年間500,000台の販売であれば、米国会計基準では収益を見込んでいる。テスラの足もとの業績については、14年第3四半期決算によると22.4億ドルの増収(対前年同期比60パーセント)を計上したが、最終損失は5,770万ドルから1億8,640万ドルへと赤字幅を拡大させる結果となっている。

 マスク氏はオートモーティブ・ニュース主催の自動車業界カンファレンスで基調講演を行ったが、これはデトロイトの北米国際オート・ショーの「予告版」的な意味合いもあり、世界から5,000人以上のジャーナリストが集まった。

 記者会見の後半では、マスク氏がゼネラル・モーターズのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)が公開した新たな電気自動車のコンセプトモデル(車両価格3万ドル、航続距離200マイル)を賞賛しつつも持論を展開し、デトロイトに集う自動車メーカーはプラグインハイブリッドカーへの投資を見直す段階にきていると指摘した。
「ビッグ3の経営リーダーが電気自動車への投資を本腰で加速させることこそ重要なのです。環境規制を充足するために各社が最低限、生産しなければならないエコカーのような次元の話ではありません」。マスク氏のいう「本腰で」とは少なくとも年間25万台の電気自動車の生産台数を意味し、利益を生み出すにはその程度の台数が必要最低限ともいえよう。「これは賭けでしょうが、勝算はあります」と彼は断言する。

 タイミングとしてはやや奇異にうつるが、マスク氏が電気自動車の利点を賞賛する一方で、テスラの株価は急落していた。マスク氏が、テスラの中国での売上が予想を下回ったとウォール・ストリート・ジャーナルにコメントしたことに株価が反応したとみられる。テスラの株価は時間外取引で7%下落し189.95ドルとなった。マスク氏は記者会見で、中国での売上不振は、電気自動車の充電の難しさについて消費者が「誤解」したための「一時的」なものであると説明した。また、テスラが中国の消費者とのコミュニケーションの向上に努めており、スーパー・チャージャー(急速充電スタンド)を設置したことで中国大陸横断の長距離移動も可能となること、より高級感を演出する「エグゼクティブ・シート」を基幹モデルSの後部座席につくること等などにも言及した。

 マスク氏によれば、出荷の遅れている新型多目的スポーツ車(SUV)「モデルX」がいよいよ今夏出荷予定という。発売遅延の原因としては、品質に万全を期したい思いや、ユニークなガルウイング方式のドアの操作等の追加作業が生じたこと等を挙げていた。「この車は実に素晴らしいです。真剣にそう思います」と自信を見せている。

文 =ジョアン・ミュール(Forbes) / 編集=上田裕資

 

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