ストックホルム大学の非営利団体「ストックホルム・レジリエンス・センター」の所長で、レポート筆頭著者のひとりでもあるヨハン・ロックストロームは、オスロのイベントで講演を行い、「食料は、環境への負荷を上昇させている唯一最大の要因だ」と述べた。
レポートで推奨されている食生活なら、2050年に100億人に達すると見込まれる世界総人口に対して持続的に食料を供給できる、とレポートの研究チームは主張する。
言うまでもなく、こうした食生活については食肉業界から多くの批判が寄せられている。しかし、ウィレットはイベントで、肉の消費を大幅に削減していく点について「過激ではない」と述べ、レポートで推奨されている食生活を、同じく野菜を中心とした地中海ダイエットになぞらえた。
では、提唱されたことをすべて実現させるには、どうしたらいいのだろうか。レポートでは、プラネタリー・ヘルス・ダイエットを世界的規模で導入していくうえで、以下の5つの戦略を提案している。
・枠組みの目標の達成に向けて、世界全体かつ各国が責任を持って取り組む。
・世界全体の農業を、量より質を重視する方向に転換する。
・持続可能な農業に対してインセンティブを提供する。
・土地の管理と海洋の管理を連携させる。
・食品廃棄物を減らす取り組みを強化する。
個人的にはひとまず、近所の書店に「プラネタリー・ヘルス・ダイエット」の料理本が並ぶのを待ちたいと思う。