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sspopov / Shutterstock.com

航空宇宙業界から自動車部品メーカーまで様々な領域で活用可能な、金属3Dプリンターを送り出すユニコーン企業が「デスクトップメタル(Desktop Metal)」だ。同社は先日、新たに1億6000万ドルを調達し、累計の資金調達額は4億3800万ドル(約477億円)に達した。

今回の調達ラウンドで同社の企業価値は15億ドルとされた。調達を主導したのは、売上1100億ドルを誇る多国籍複合企業「コーク・インダストリーズ」の関連会社、コーク・デイスラプティブ・テクノロジーだ。GV(旧グーグルベンチャーズ)やパナソニック、Techtronicらも出資に参加した。

米マサチューセッツ州本拠のデスクトップメタルの既存出資元には、フォードやGEベンチャーズ、NEA(New Enterprise Associates)、クライナー・パーキンスらの名前が並んでいる。

デスクトップメタルは金属3Dプリンターを用いた金属加工テクノロジーで、市場規模128億ドルといわれる世界の製造業を革新しようとしている。3Dプリンターを活用した金属加工は、特に自動車業界などに多大な恩恵をもたらす。従来の製造メソッドでは不可能だった、部品の製造工程の効率化が果たせるからだ。

コーク・インダストリーズからの出資を得たことにより、デスクトップメタルはジョージア・パシフィックやモレックスなどの、コーク関連の巨大企業からの受注を得ることになる。

「今後も会社を成長させ、マーケットシェアを拡大したい」とデスクトップメタル共同創業者でCEOのリック・フロップ(Ric Fulop)はフォーブスの取材に述べた。今回の資金調達により、同社はIPOに向けて一歩前進したことになる。「今回の調達は、IPO前の最後の資金調達になりそうだ」とフロップは話した。

金属3Dプリンターの市場規模は、従来のポリマー加工向け3Dプリンターの市場よりもずっと小さなものだが、急速に伸びている。デスクトップメタルは昨年夏時点で、1億2000万ドル相当の受注を抱えており、今年の売上も1億ドルを上回る見込みだ。

デスクトップメタルは現在、オフィスなどの小規模なスペースでも使える「Studioシステム」を出荷しているが、同社初のマスプロダクション向けマシンを来月には出荷するという。フロップによると、このマシンの顧客は米国の大手企業だというが、現時点では名前は明かせないという。

ベネズエラから米国に来た移民のフロップは、カリスマ的魅力を備えた連続起業家で、過去にはバッテリーメーカーのA123 Systemsを共同創業していた。デスクトップメタルの創業にあたり、フロップは3Dプリンター界のパイオニアであるMIT教授のEly Sachsらと手を組み、2015年に会社を設立していた。

編集=上田裕資

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