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2019.02.02 11:30

名作モデルがアップデート 進化する腕時計とブランドヒストリー|Vol.1

一見、停滞してそうに見えるが、スマートウォッチや新素材のモデルが次々と出てきて、時計界は相変わらず元気である。2018年も意欲的な新作があり、その進化はまだまだ止まらないようだ。


1/20 CARTIER Santos de Cartier

初の男性実用腕時計であり、その後の多くの腕時計に影響を与えた名作モデルがアップデートした。幾何学的な美意識にのっとったスクエアフォルムやベゼルを飾る8本のビスなど、サントスを象徴する基本デザインはそのまま踏襲。新しくは、四隅が緩やかな丸みを帯びたベゼルがブレスレットへと流れるようなラインを形成している。

これによって、ケースとブレスレットがより一体化しているのだ。それでも、このモデルが持つシャープな印象は損なわれていない。さすが、カルティエのデザイン力である。また、ブレスレット&ストラップを簡単に交換できる「クイックスイッチ」方式が装備されており、豊富に揃えられたストラップを簡単に交換できる。



ケース素材:ステンレススティール+18Kイエローゴールド
ケース径:39.8×47.5㎜(LMサイズ)
ムーブメント:自動巻き 1847MC
価格:112万円
問い合わせ:カルティエ カスタマーサービスセンター 0120-301-757

1847年にハイジュエリーメゾンとして創業。それはエドワード7世に“キング・オブ・ジュエラー”と言われたほどの名門であった。そんなカルティエが時計で一躍有名になったのが、1904年の「サントス」である。飛行家アルベルト・サントス=デュモンから飛行中にも使用できる時計を、と依頼を受けて製作されたこのモデルは、現在誰もが着けている腕時計の始まりでもあった。以降「タンク」をはじめ数々の名作をつくり出している。

2/20 PATEK PHILIPPE 5205

年次カレンダーは1996年にパテック フィリップが発表し、特許を取得した複雑機構である。機能としては、1年に1度、3月1日に日付の修正のみが必要というもの。同社得意の機構なので、常にラインナップされているモデルなのだが、今年はそこにホワイトゴールドにブラック・グラデーションのブルーダイヤルを組み合わせた新作が登場した。

ダイヤルには、10時から2時位置に曜日と日付、月の表示窓が弧状に並び、6時位置にはムーンフェイズと24時間表示が配されている。また、ケース側面には調整ボタンが備えられており、10時位置で曜日、2時位置で月、4時位置で日付、8時位置でムーンフェイズの調整が行えるようになっている。



ケース素材:18Kホワイトゴールド
ケース径:40㎜
ムーブメント:自動巻き キャリバー324 S QA LU 24H/26
価格:523万円
問い合わせ:パテック フィリップジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109

1839年創業。品質をなによりも重視しており、1851年のロンドン万国博覧会で金賞を受賞したことで、その名は世界へと広まった。当時すでにリュウズによる巻き上げ・時刻合わせという画期的な機構を開発し、さらに超複雑機構のミニッツリピーターを製作。創業から十数年という短期間でトップブランドの地位を獲得する。歴代の顧客には、英国ヴィクトリア女王、チャイコフスキー、ワーグナーなどの名士が名を連ねた。

3/20 BLANCPAIN Villeret Tourbillon Volant Heure Sautante Minute Rétrograde

ジャンピングアワーとレトログラード式分表示、さらにフライングトゥールビヨンを備えたコンプリケーションウォッチだ。ジャンピングアワーとレトログラード ミニッツは、意外なことにブランド初となる。フライング トゥールビヨンは、1989年に初めて発表。

これまでは、キャリッジやバランスホイール、エスケープメントなどがブリッジに遮られる設計だったが、新モデルではこの下部ブリッジを排除。代わりに透明なサファイアのディスクを用いることで、トゥールビヨンがまるで浮いているように。ダイヤルは、グラン・フー・エナメル加工が施されており、美しい。ブランド初の試みを盛り込んだ意欲作である。プラチナケースは世界限定50本。



ケース素材:18Kレッドゴールド
ケース径:42㎜
ムーブメント:手巻き キャリバー260MC
価格:1459万円
問い合わせ:ブランパン ブティック銀座 03-6254-7233

1735年、ジャン-ジャック・ブランパンによってスイス・ヴィルレに創業したブランパンは、現存する時計ブランドのなかで最古の歴史を誇る。1953年には現代的な意味でのダイバーズウォッチのルーツともいえる「フィフティ ファゾムズ」を発表。56年には当時世界最小の丸型ムーブメント搭載の小型腕時計「レディバード」を誕生させる。卓越した技術で、91年には6つの機構を1つの時計に組みこんだ「1735」を発表した。
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text by Ryoji Fukutome

この記事は 「Forbes JAPAN 日本の起業家」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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