「YC 120」と呼ばれるこのカンファレンスは、厳しい審査を勝ち抜いた100名の起業家と、20名の業界のプロフェッショナルを対象としたもので、4月26日から28日にかけてコロラド州で開催予定だ。
Yコンビネータでプレジデントを務めるサム・アルトマンによると、YC 120は未来の起業家や、テクノロジー業界のクリエイターらを対象にしたイベントだという。Yコンビネータは、起業家や投資家、メンターらをつなぐ役割を果たしてきたが、その若手版的な位置づけとなるのがYC 120だ。
アルトマンらは今回のイベントに、大手企業で働くよりも自分のアイデアを追求したい若者が参加することを望んでいる。「起業家というのは孤独なものだ」とアルトマンは話す。起業を目指す人々にネットワーキングの場を提供するのが、YC 120のゴールだ。
「未来のイーロン・マスクになるような、高い才能を持つ人々との出会いを期待している。これらの人々のネットワークを築くことで、各人のポテンシャルを少なくとも10倍以上に高められる」とアルトマンは述べた。
YC 120へ参加するための交通費や宿泊費はYコンビネータが負担する。参加希望は事前に、1分間の自己紹介ビデオを提出し、選考に合格することが求められる。ビデオ内で応募者は、関心を持つ領域やこれまでの業績について説明する。さらには、起業家として成功を収めて世を去った場合、新聞の死亡記事にどのような事を書かれたいかを述べる。
今から14年前にスタンフォード大学をドロップアウトしたアルトマンは、「当時の自分には、自分のお金でコロラドまで向かうような余裕は無かった」と話す。今回のカンファレンス会場をカリフォルニアではなく、コロラドにしたのは「バブルから抜け出す」という意味を持たせたかったからだという。
「スタートアップ業界ではシリコンバレーに大きな関心が注がれ、ベンチャーキャピタルも活発な投資を行っている。しかし、この領域で最も大切な要素はネットワーキングだ。YC 120から毎年一人のイーロン・マスクを送り出せるとしたら、素晴らしいことになる」とアルトマンは話した。
YC 120への参加申し込みの締め切りは、2月18日までとなっている。