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I’m the CEO of CultureBanx, redefining business news for minorities.

Katherine Welles / Shutterstock.com

マイクロソフトは本社があるワシントン州シアトルをよりインクルーシブな都市にしようとしている。同社は先ごろ、手ごろな価格の住宅を建設するプロジェクトに5億ドル(約546億円)を拠出する計画を明らかにした。

中所得者向け住宅の建設とホームレスの支援にそれぞれ、4億7500万ドル、2500万ドルを充てるという。

だが、マイクロソフトとアマゾン・ドット・コムというテクノロジー大手2社が拠点とする都市で、公共の福祉よりも私的な利益を重視する社会が自ら生み出した問題を本当に解決することは可能だろうか?

知っておくべきこと

ホームレス問題への取り組みを支援するためにマイクロソフトが拠出する金額は、“ごくわずか”だ。大きな変化をもたらすことは、難しいだろう。

米ビジネスニュース・サイトのカルチャーバンクス(CultureBanx)によると、シアトルはニューヨークとロサンゼルスに次いで、米国内でホームレスが3番目に多い都市だ。マイクロソフトの本社を置くキング郡では昨年のある時点で、ホームレスの数が1万1600人を超えていた。

マイクロソフトが過去10年間に総額1億8400万ドルに上る利益を得てきたことは、あえてここで言うまでもないだろう。5億ドル規模の支援は、年間利益のわずか2.7%だ。別の見方をすれば、年間の広告費を昨年より31%増やすだけと考えることもできる。

誰のための住宅か?

マイクロソフトがシアトルに手ごろな価格の住宅を建設するプロジェクトを資金面で支援することは、同社の投資と見るのがより正確な捉え方だ。

用意される資金のうち2億2500万ドルは、年収6万2000~12万4000ドルの世帯向けの住宅を建設する開発業者に相場以下の金利で融資される。対象となる世帯の人たちは、貧困の中で暮らしているわけではない。

さらに、残る2億5000万ドルは、年収4万8150ドル未満の世帯向けの住宅の建設を請け負う業者に、相場と同程度の金利で貸し付けられる。これらの住宅も、貧困ラインをはるかに上回る世帯のために作られるものだ。

住宅が建設されるのは主に、マイクロソフトの本社があるレドモンド周辺のシアトル東部の郊外だ。同社は向こう3年間にわたって、これら総額4億7500万ドルを拠出する。本社を拡張し、従業員を8000人増やす計画である同社にとっては、大きな利益をもたらす計画となるだろう。新たに採用する従業員たちには、住む場所が必要だ。

5億ドルを拠出する約束は単に、今後の人材採用に向けてのセールスポイントだと見る人もいるかもしれない。企業の責任という概念が進化を続ける中、その他のテクノロジー企業は住宅に関する不平等の問題にどのように対応していくのだろうか。興味深い点だ。

編集=木内涼子

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