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・人間にも認識できるパターンを、漏れなく・際限なく見つけることができる

・人間にも認識できるパターンだが、高い専門的知識が必要となるパターンも見つけ出すことができる

前者は、いわゆる「機械化」によって実現できることで、AIに限った話ではありません。機械は疲れ知らずですから、人間のように働く時間が制限されたり、体調によってパフォーマンスが変わったりはしません。

より人間にとってインパクトがあるのは後者でしょう。人間も、経験(に基づく知識)の差によって、認識できるパターンには大きな差が出てきます。

ベテランの刑事なら、目の前の容疑者が嘘を付いているかどうかを見抜くことができるでしょうし、あるいはベテランの医師なら、目の前の患者の容態からより細かい病状を把握することができるでしょう。これらはいずれも「どこをどう見ればパターンを認識できるか」を経験によって獲得した結果なのですが、もしこれをデータという形でAIに学ばせれば、いきなりそれぞれの分野でエキスパートが誕生するのです。

こうやって文章で書くのは簡単ですが、実際にこうした「暗黙知」をデータで用意するのはなかなか難しい作業です。人間は明文化せずともパターン認識ができますが、AIは厳密に数値化されているデータからしかパターン認識をすることができません。

例えば前述したベテラン刑事が、もし「相手の目の動きを見れば分かる」ということであれば、目の動きのデータを取ればよいでしょう。しかし、もし「相手の表情とか雰囲気全体」なんて言われたら、どうデータを取ればいいのかはかなり悩ましいところです。この場合は、具体的にどういったところを見ているのか、もう少し掘り下げていくプロセスが必要になってきます。

AI技術の発展によって、人間に認識できるパターンであれば、機械も十分に認識できるようになりました。この確実性を上げるために、さらに数理的なアプローチを駆使してさまざまな研究が進められています。その一方で、認識したいパターンを「どうデータ化するか」については、また別の考え方やアプローチが必要になります。そして、これは前回にも触れた「プログラミング的思考」を表す3つの力

・課題や目的を分解して考えることができる力

・答えに行き着くまでの道筋を定めることができる力

・プログラミングによって、何をどこまで実現できるかを考えることができる力

に表されていると言って良いでしょう。

「AIをつくる」と言ったときに必要とされるのは数理的なスキルがイメージされがちですが、それに勝るとも劣らないくらい、この「プログラミング的思考」が必要になってきます。数理的な処理が得意な人に加え、「プログラミング的思考」ができる人もまた、AIをつくるのには必要なのです。

文=巣籠 悠輔

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