ビジネス

2019.01.30

「東京五輪が出会いの起爆剤に」Tinder CEOが日本市場に期待

Tinderのエリー・セイドマンCEO


日本のミレニアル世代は等身大?
 

日本のユーザーの特性を解説するマーケティング・ビジネス開発マネージャー久次米裕子

マーケティング・ビジネス開発マネージャーの久次米(くじめ)裕子が、日本のユーザーについて解説し「日本のミレニアル世代は、等身大+リアリティーを求めている」と分析した。

日本でのプロフィールで最も使われているキーワードには、「学生」「社会人」というソーシャルステータスのほか、「オタク」や「シャイ」などが挙がっている。一方でアメリカでのキーワードは「プロフェッショナル」「スマート」「面白い」などが上位で、違いが見られる。

Tinderはブランド・アイデンティティとして「公平性+包括性」を掲げ、文化的背景や人種などをフィルターで選べないようにしているのも特徴だという。久次米は「背景やコンフォートゾーンが違う人とも出会うことで、視野や世界観が広がる」と語る。

セイドマンCEOも「Tinderでは『完璧な人生はやめましょう』と推奨している。作り上げた人物を描く必要はない。会う前に決めつけるのではなく、オープンマインドで使って欲しい」と伝えている。

ローンチ当初はグローバル全体でのサービス改善に主眼を置いてきたが、各市場が成長した現段階になり、ローカルで必要なことを考え始めているという。「日本には豊かなカルチャーがあり、若者の興味がたくさんある。日本独自のカルチャーに根付いた自己表現のお手伝いができれば」と話した。

2019年の最優先事項として「安全なコミュニティー作り」を挙げた。具体案は明かさなかったが、画像認証などセキュリティシステムの強化に取り組むという。

会見では直接触れられなかったが、マッチングアプリを巡っては暴力や殺害事件も起きている。筆者自身もかつて使ったことがあり、写真やプロフィール文の経歴とはかなり異なる人が現れ、苦い思いをした経験がある。一方で、落ち着いた良い出会いもあった。最近では、マッチングアプリから結婚に至ったという話も身近に聞くようになった。

セイドマンCEOは「大きなTinderのコミュニティーはパラレルワールドではない。現実の世界でコーヒーショップやバー、パーティーに行くことと同じ。そこで気をつけることと同じだ。成長して人生が豊かに進んでいくように、Tinderはみなさんをサポートしたい」。

最後に、CEO 自身の出会いについて聞いてみた。

「僕はTinderができる前から、妻がいた。オールドファッションの出会い方だよ。『仕事ができる人を紹介する』と共通の友達に言われたけれど、お互い騙された。ビジネスができるわけじゃなかった。これは昔の物語。Tinderがあったらもっと面白いストーリーになっただろうね」

文・写真=督あかり

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