経済・社会

2019.01.29 11:30

スタバ元CEOが大統領選に出馬検討、同じ「富豪」トランプと何が違うのか

ハワード・シュルツ(Photo by Pier Marco Tacca/Getty Images)

ハワード・シュルツ(Photo by Pier Marco Tacca/Getty Images)

米スターバックスコーヒーの実質的な創業者であるハワード・シュルツが1月27日、2020年の米大統領選への出馬を「真剣に検討している」と表明した。

現職のドナルド・トランプ大統領も、シュルツも資産額が10億ドルを超えるビリオネアである点では同じだ。しかし、2018年6月にスターバックス会長の座を退いたシュルツの生い立ちは、トランプのそれとは全く異なる。

シュルツはニューヨークのブルックリン生まれで、両親はユダヤ系ドイツ人移民のアメリカ人で、退役軍人の子として生まれた。彼は1982年に当時4店舗しかなかったスターバックスに就職した。その後、シュルツは87年にスターバックスを買収し、今では同社は世界で1万5000店舗以上の規模に拡大。シュルツの資産額はフォーブスの推定で34億ドル(約3700億円)とされている。

今から3年前の、米国版フォーブスのビリオネア特集号の表紙を飾ったシュルツは「自分は今でもブルックリン生まれの子供だと思っている」と話していた。

トランプは富豪の息子として生まれたが、シュルツが育った建物は、トランプの父が開発プロジェクトを行ったビル群から、遠くない近い地域にあった。シュルツの父親は当時から、トランプの父親を敵視していたという。民主党支持者であるシュルツは、政党に属さない独立系候補として出馬する意向だと伝えられている。

シュルツは公開企業のCEOを務め、投資家や雇用者、政府機関、そして顧客らの要望に応えるポジションで彼の任務にあたってきた。一方、トランプは完全なる私企業のオーナー経営者として、誰にも耳を貸さずこれまでの地位を築いてきた。

トランプは1981年のピープル誌の取材に「人生は勝つか負けるかの勝負だ」と述べていた。

彼らの経歴から考えて、シュルツが国際貿易問題に関して、トランプとは全く異なる意見を持っていることは明確だ。「メキシコやカナダ、EUや中国とやり合うことが、そんなに重要だろうか」とシュルツは、先日の米人気番組「60 Minutes」で述べた。

「勘弁してほしいと思うね。それは(トランプがやろうとしていることは)間違いだ。米国は友好国との関係をもっと改善すべきだ」とシュルツは主張した。

シュルツはトランプよりも、もっとうまく関係国とのビジネスを運営できると述べた。2018年6月にスターバックスの会長職を辞任したシュルツは、彼が株式を保有するスターバックスのビジネスと、大統領選出馬を切り離すことが可能だと話している。シュルツはスターバックスの役員会から離れたが、彼は今もスターバックス株の約3%を保有し、その価値は約25億ドルと算定される。
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編集=上田裕資

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