Confluentは、データマネジメントの中でイベントストリーミングと呼ばれる領域を手掛けている。同社は1月23日、セコイア・キャピタルが主導したシリーズDラウンドで1億2500万ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドには、既存株主であるIndex VenturesとBenchmarkも参加した。フォーブスが得た情報によると、Confluentの評価額は25億ドル(約2730億円)に達したという。
Confluentは、4年前までカリフォルニア州マウンテンビューの外れにある歯医者の横に小さなオフィスを構えていた。その1年後に最初の営業担当者を採用し、現在では受注契約金額が1億ドルに達した。ConfluentはNetflixのレコメンド機能や、LinkedInのサジェスト機能を支えている。
受注契約金額と売上高は異なるが、その目覚ましい成長を投資家たちは高く評価している。セコイア・キャピタルのパートナーであるMatthew Millerによると、エンタープライズ向けサブスクリプションモデルとしては、これまで見たことのない高い成長率だという。Millerは、シリーズCと今回のラウンドを主導した。一方で、Benchmarkのパートナー、Bill Gurleyも先週、「Confluentは、我々が過去20年間見てきた中で最も早く成長しているエンタープライズ向けサービスだ」とツイートしている。
ConfluentのCEOであるKrepsは次のように話す。「世界中の企業が我々のテクノロジーを利用している。イベントストリーミングはメインストリームのサービスとなった」
Confluentは、オープンソーステクノロジーを基盤とするユニコーンの中でも、大手グローバル企業を顧客に抱え、売上高が数千万ドル規模に達した最新の事例だ。Confluent の基盤となっているデータ処理ソフトウェア「Apache Kafka」は、同社の創業者らがリンクトインに勤めていた2011年に開発したプロダクトだ。
Kafkaの特徴は、ユーザーがデバイスにログインしたり、ボタンを押すたびに、リンクされたアプリやデータベースにその記録がほぼリアルタイムで送信されることだ。莫大なデータを持つ企業にとっては、アプリをより速く反応させたり、より大きなスケールに対応することができる。
顧客にはアウディも
ConfluentのCTOであるNarkhedeによると、自動車業界や金融サービスにおいてもテック企業のように大量のデータをリアルタイムで処理するニーズが高まっているという。Confluentの顧客であるアウディは、車両に搭載したセンサーから取得する膨大な量のデータを処理して予測診断を行っている。
また、銀行は、Confluentをデータストリーミングに使うことで、拒否された決済取引を機械学習モデルが誤ってフラグを立てし、顧客が大切なディナーでクレジットカードが拒否されることを防ぐことができるようになったという。
カナダの通信大手「Rogers Communications」では、メディアアプリでユーザーをトラッキングするのにConfluentを使用している。「Confluentは、より良いサービスを提供するのに役立っている。ビジネスグループの担当者たちも、質問をして答えを得るためにシステムを構築する必要がなくなった。何か事象が生じた場合、すぐにそれを把握し、対応が取れるようになった」とデジタルエクスペリエンス担当の副社長であるKerry Joelは話す。