ビジネス

2019.01.28

米国で再流行する「こんまりメソッド」の効果

近藤麻理恵(Photo by Gary Gershoff/WireImage)


一方、3人の子供を持つライターでパブリシストの女性は、この方法で片付けをしようとしたところ、自分がどれだけたくさんの洋服を持っているか、それらに心がときめくのかを再認識した。そして、結局それらを片付けるのではなく、もっと活用することにした。

こんまりメソッドには失敗したことになるが、彼女の努力が全て無駄になったわけではない。持っているものに対して、より感謝の気持ちを持てるようになったのだ。

神道との関連性

ハフィントン・ポストに掲載された記事で筆者のマーガレット・ディロウェイは、亡くなった母の神道に基づいた考え方と、こんまりメソッドとの関連性を指摘している。日本人の母親はモノを購入することについて、米国人の父親とは全く異なる考え方を持っていたという。

「持っているものを大切にする、値段に関係なく、モノを捨てられるものではなく、価値あるものとして扱う」といったことは、全て本質的に神道の考え方に基づいているというのだ。

本を並べるスペースがなかったり、十分な引き出しがあるドレッサーを買う余裕がなかったりしても、足りないことに不満を持つのではなく、あるものを有効に利用して対応するという考え方だ。

否定的な意見も

一方、自分のメソッドの方が優れていると主張する片付けのプロもいる。ジェームズ・ロット・ジュニアは、自分の仕事への注目度が高まったという点でこんまりメソッドに感謝していると語る。だが、「全ての人に適した方法ではない」という。

顧客の話をよく聞き、その人それぞれに合わせてより柔軟に対応して支援する方法ではない点が、「一部の人を遠ざけてしまう」というのだ。そして、「私は顧客の気持ちに対応する方法を複数用意しており、片付け方にも多数の選択肢を提供している」と述べている。

自分に合った「片付け方」を

こんまりメソッドは明らかに、多くの人の片付けを助けるものだ。ネットフリックスの動画は、このメソッドをより理解しやすいものにするだろう。私たちを幸せにしないモノ、感謝の気持ちを持てないモノを処分すること、それが私たちの生活に及ぼす影響が、この方法が私たちにもたらす最善の成果だ。

ただし、「それまで役立ってくれたことに感謝して」欠けたマグカップを捨てるという考え方をばかげていると思う人もいるかもしれない。こんまりメソッドが自分には合わないと感じる人は、別の「心がときめく」方法を探すべきだ。

編集 = 木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事