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チャベスは、原油価格に踊らされる経済を目の当たりにした。原油価格が1バレル当たり約200ドル(約2万1900円)から35ドルに下落したとき、ベネズエラの経済運営は破綻した。

今も破産に向かっているベネズエラは、ロシアと中国の「延命措置」によって生き伸びている。PSUVが政権の座を追われれば、国際通貨基金(IMF)の支援に頼ることになるのは間違いない。チャベスは2度死んだということになるだろう。

「過去と異なる」抗議活動

現在のベネズエラの抗議活動は、過去のものとは質的に異なる。カリブ海のマルガリータ島や米国のマイアミに別荘を持つようなブルジョアジーによるものではなく、カラカスの低所得層が多い地域で起きているのだ。

これらの地域の住民の大半は、警護隊の隊員であるなど、政府関連機関で仕事を得ているか、政府の社会福祉プログラムに頼っている。低所得層は、PSUVの支持基盤だ。

ベネズエラ政府が今後、抗議活動に対する取り締まりを強化し、野党指導者に暴力を振るったり、何かの罪を着せて収監したりすることがあれば、米政府は一層、PSUVへの批判を強めるだろう。

だが、英投資銀行バークレイズ・キャピタルの南米担当エコノミストによれば、過去にはPSUVの排除を求める声が国内で高まっても、国外からの圧力が強まることはなかった。米政府がマドゥロへの圧力を強め始めたのは、2017年末以降だ。そのときにはすでに、ベネズエラ国内では抗議活動が一旦は静まり、多数の国民が相次いで出国していた。

ベネズエラは基本的に、外国の政治記者たちにとっては特に注目すべき存在ではなかったのだ。ウォール街は同国に関心を向けてきたが、それは国営石油会社ペトロレオスの社債を取引する人たちのためだ。

現在のベネズエラは、こうした過去とは異なる状況にある。前出のエコノミストは、PSUVに対する内外からの圧力が同時に高まっている今回こそ、政権移行の可能性は一層高くなるだろうと指摘している。

編集=木内涼子

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