「私の成功はチームの成功」 パナソニックのCMOが語るリーダーシップ

パナソニック コネクティッドソリューションズ社の山口有希子CMO


──パナソニックでは、変革的なリーダーであることをどのように認識されましたか?

まず、私はアウトサイダーでした。IBMからパナソニックに移ってきたので、私が会社の変革のために採用されたのは周知のこと。だからこそ、私が変革のドライバーでなければならないと考えています。

私一人で変化を起こすことはできないけれど、チームが一丸となればできる。自分の成功=チームの成功であり、各メンバーは自分の貢献がとても重要な理由を理解しています。何かを達成したときには、チームの成果として祝っています。

──自身のリーダーシップ哲学を教えてください。

私はサーバント(奉仕型)リーダーシップを信じています。リーダーは、自分だけでなく周囲の人にも奉仕するという、非常に重要な役割を担っている。そうすることで、真の意味で「A Better Life, A Better World」を作り上げることができると思います。

──パナソニック外でも積極的に活動をしていて、特に女性のエンパワーメントに熱心に取り組んでいますね。それについて聞かせてください。

国内外でのマーケティングの地位確立に積極的に取り組んでいます。ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSの審査員を務めるなど、マーケティングの効力を伝え広めようとしているのもそのためです。また特に、若者や女性のマーケターのキャリアを支援したいと考えています。日本のビジネス界では女性はいまだに少数派で、多くのチャレンジがある。私にとって多様性は本当に重要なテーマです。

──それはなぜでしょう?

私は管理職に就くまで相当な努力しなければなりませんでした。日本は世界の男女平等ランキングでは114位で、いまだにとても男性中心的な文化です。

娘が生まれた後、仕事を続けることはとても難しく、たくさんの貴重な体験をしました。こうした理由から、若い女性を支援してキャリアと家族をより楽に両立できるような環境にしたいと強く思っています。

──職場での女性支援で鍵となるものは?

「自信」ですね! 私は個人の力を信じています。私が出会う若い女性は誰もが夢や情熱を持っているけれど、「この仕事をしたいけれど、会社が支持してくれないから…、夫がとても忙しいからできない…」など、厳しい現実に直面しています。

こうした女性たちが、自分にできること、それを達成する方法に気づく手助けをしたい。女性たち自身が自分を信じ、夢を追い求め始めることが必要だと思っています。

──自分にとっての自信の源は?

幸運にも、私の能力や力を信じてくれるチームメンバーや同僚、友人がいること。こうした人が周囲にいるというのは大きなパワーです。

──リーダーシップに関するアドバイスは?

難しい質問ですね。まずは自分の理念と情熱を理解することでしょうか。他者を尊重し、新たなことを継続的に学び、自分への挑戦を続けてほしいです。

──既に大きな成功を収めていますが、今後の夢は何でしょう?

周りの人々の役に立ち、幸せにしたいです。私のチームや同僚、会社、そして家族。そのためにマーケターとしての能力やマネジメント能力をさらに伸ばしていきたいです。

編集=遠藤宗生

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