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「僕は日本の球団であまりリーダーシップ論について聞いたことがありませんでした。メジャーリーグに行ってすごく新鮮だったのは、『みんなを束ねて引っ張る』ということがリーダーシップではないということです。

グラウンドに出たら、全員がリーダー。日本のチームづくりは『2・6・2』や『1・8・1』の法則でいう中間層を厚くつくろうとする印象があります。しかし、メジャーのシーズンオフで行われているのは、『あなたはどういうタイプのリーダーか』という教育です。

題材としてビデオ映像を見せます。ビデオでは、デレク・ジーターが『僕の背中を見てくれ』とばかりに言葉ではなくプレーや生き方でリーダーシップを教えたり、あるいはNFLのスーパースターであるトム・ブレディは『謙虚さ』を説きます。

バスケットボール選手、アメリカンフットボールの監督、コーチの発言と、さまざまなタイプの人を例に挙げて、それを全部プレーヤーに見せ、『君はどのタイプに近いと思う?』と問いかけ、自分で考えさせるのです。

そして、その考えを一人ひとり発表させます。トンチンカンな説明でもいいんです。理由を語ることが大事。思考を言語化させ、専門家とディスカッションを行う。その時間で、自分の内に秘めたリーダーシップ的な要素を引き出してもらうのです」



リーダーシップとは日本で考えられがちな統率ではなく、組織の活性化につながる各人の「行動」であり、そうした良い影響を周囲に与えることでチームの目標である勝利が達成される。

「もともと入団するまでにリーダーシップ的な要素を持っている者もいます。そうした要素がさらに明確になって自覚が芽生えます。

スポーツにはどうしても波があります。調子がいい時にリーダーシップを発揮できるプレーヤーは多いですが、悪い時にはどうしたらいいのか、メジャーの教育を経ることで理解できるようになります。

もっとも重要なのは、選手一人ひとり、全員に『自分にはリーダーとしての資質がある』ということを気づかせることです。全員がそう気づいてこそ、チームは成り立つのです」



記事と合わせて斎藤隆さんも参加した「スモール・ジャイアンツ アワード」の様子もご覧ください。
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文=藤吉雅春

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