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積水ハウスの林俊明氏

「最近はよく『障害は個性だ』と言われるが、私の中では、障害はやっぱり障害。みなさんが思っているより、障害を持つことは苦しいこと。いろいろ辛いこともあったが、周りの人が支えてくれた。彼らの存在があったから今の自分につながっている」

障害のある労働者を讃える「ACEアワード」表彰式で、グランプリに選出された積水ハウスの林俊明さんは、涙ぐみながらそう語った。

障害を持つ労働者が個性を発揮できる環境構築などを目指す一般社団法人「企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)」の第6回ACEフォーラムが2018年12月、清水建設本社(中央区)で開催された。

ACEは2013年に発足。全国の大手企業33社で構成し、「企業の成長に資する新たな障がい者雇用モデルの確立」を目的に、毎年のACEフォーラムで活動成果報告などを行なっている。今回は、企業や大学関係者ら約200人が出席した。

アワードには、高安動脈炎や聴覚障害など、障害を持つ5人がノミネートされ、グランプリには、右腕の機能障害を持つ積水ハウス設計課の林さんが選出された。

障害を乗り越え、4年がかりで一級建築士の試験に合格した実績や、チームリーダーとして後進の育成にも取り組んでいること、地域勤務職から総合職への転換に挑戦、合格し、かつては制度化されていなかった職掌転換の先進例となったことなどが高く評価された。

代表理事の下野雅承(まさつぐ)日本アイ・ビー・エム取締役副会長から記念品を受け取った林さんは「このような賞がもらえるとは思っていなかったが、全国で障害を持ちながら頑張っている全ての人が同じようにグランプリです」と述べ、周囲のサポートに感謝した上で「今後は、自分が色々と支えていきたい」と意気込みを語った。


下野雅承・ACE代表理事(左)と林さん

下野氏は、「最近は、報道で障害者の法定雇用率など数字の話がよく出てくるが、数を合わせることより、一人一人が輝き、企業で貢献できるような事例をもっと作っていけるよう努力したい」と抱負を述べた。

文・写真=鷲見洋之

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