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スヌープ・ドッグ(Photo by Jared Siskin / Patrick McMullan via Getty Images)

先日は米国のラッパーのスヌープ・ドッグが、企業価値が25億ドル(約2740億円)とされる、スウェーデン発のフィンテック企業「クラーナ(Klarna)」の出資元に加わり、大きな話題となった。

フィンテック領域では著名人をインフルエンサーとして起用する例が相次いでおり、グラミー賞受賞ラッパーのウィル・アイ・アムも、英国のアプリ専用銀行「アトム」のアドバイザーに就任した。また、元NBA選手のシャキール・オニールも米アトランタの家計管理及び雇用支援サービス「Steady」の運営に参加した。

さらに、仮想通貨領域では、セネガル出身のR&Bシンガーのエイコンが自身の仮想通貨「Akon」を昨年立ち上げていた。

しかし、シャンプーや口紅の宣伝に著名人を起用するのと同様に、フィンテック領域の企業の広報にセレブの力を借りるのには疑問も残る。

英フィナンシャル・タイムズは、著名人を美容製品の宣伝に起用することと、クレジットカードや金融商品の告知に起用する試みの間には、大きな隔たりがあると指摘していた。また、セレブを広告に起用することが、金融当局からネガティブに受け取られる可能性もあると述べていた。

2017年末に米SECは投資家向けに、有名人が宣伝活動を行っているというだけの理由で、その金融商品を信用してはならないとの警告を発した。この警告は、仮想通貨分野で著名人が主導するICOが相次いだ直後に発せられたものだった。

当時はウィル・アイ・アムがアプリ専用銀行「アトム」のアドバイザーに就任した直後だったが、彼はインテルとのコラボでも知られている。さらに、独自のハードウェア企業の「i.am+」を立ち上げていたことから、フィンテック企業と関わりを持つのは不自然ではないだろう。

また、シンガーのエイコンの場合は、仮想通貨のICOを通じて、母国のアフリカの貧しい人々を助けたいという目的があった。エイコンは金融業界での経験を持たないが、彼がこのような目標を掲げて行動を起こしたことは、評価に値する。

しかし、著名人がフィンテック系サービスの広報を行うことが適切かどうかに関しては、やはり疑問も残る。2018年のSprout Social Indexのデータによると、友人から特定のプロダクトを推薦された場合、全体の61%がまず自分でリサーチを行ってみると回答した。一方で、インフルエンサーが推薦するプロダクトの場合、自分でリサーチを行うと回答した人の比率は36%にとどまっていた。

ここで気になるのは、果たしてどのような人々が「フィンテック界のインフルエンサー」を名乗るにふさわしいのかだ。また、彼らが業界の専門家たちから信頼を得ているかどうかも、気になるところだ。

編集=上田裕資

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