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もう一つのサプライズとしては、米国は多様なテック業界の拠点都市を各地に抱えるのにもかかわらず、トップ10入りを果たしたのはサンフランシスコとマイアミの2都市のみだったことがある。

中でもニューヨークの順位の低さについて、調査チームは「世界の主要な文化・金融の中心地であるにもかかわらず、アパート賃料やインターネットの速度、また驚くことにスタートアップの数などで成績が振るわなかった」と説明している。香港やシンガポール、東京も賃料の高さによりワースト10に入っている。

スポタホームの調査結果は、ハーバード・ビジネス・レビュー誌電子版に最近掲載されたリチャード・フロリダとイアン・ハサウェイによるスタートアップ調査の結果と異なるものだ。同調査でも同様に、スタートアップやベンチャーキャピタル投資が大きくグローバル化していることが示されているものの、「スタートアップ革命」の恩恵を受ける都市は、デジタルノマドとして数週間~数カ月働くのに最適な都市とは全く異なっている。

ベンチャーキャピタル投資が多い都市トップ10は次の通り。(かっこ内はベンチャーキャピタル投資額と世界でのシェア)

1位 サンフランシスコ(273億ドル、16.2%)
2位 北京(243億ドル、14.2%)
3位 ニューヨーク(113億ドル、6.6%)
4位 サンノゼ(83億ドル、4.9%)
5位 ボストン(82億ドル、4.8%)
6位 上海(79億ドル、4.7%)
7位 ロサンゼルス(58億ドル、3.4%)
8位 ロンドン(52億ドル、3.1%)
9位 杭州(38億ドル、2.2%)
10位 ベンガルール(35億ドル、2.1%)

この2つのランキングから学び取れることは何だろうか? 冒頭で述べたように、ソフトウエアの発展により、労働者はほぼどこからでも働くことができるようになった。スポタホームの調査で示されたサービスや設備を提供し、デジタルノマドを受け入れる都市は栄えることができるだろうが、少なくとも現時点では、それだけでスタートアップ促進につながるわけではない。

事業の設立場所を選ぶとき、デジタルノマドに適しているかどうかは重要要素ではない。起業家は通常、金と人材、イノベーションを促進する政治的意志が最も集まる場所で事業を始める。

フロリダとハサウェイは次のように述べている。「スタートアップやイノベーション、それらを動かす人材を探すのに、もはや自分の裏庭だけを見ているだけでは十分ではない。以前は自身の本拠地から近いところを見ていたベンチャー投資家も、視野を広げてグローバルに考え、観察し、行動することが必要だ」

今広がっているのは、全く新しい世界なのだ。

編集=遠藤宗生

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