☆Taku:他にも気付かされたことがあって。日本のアニメ好きやアニメオタクたちは、アニメが好き、声優が好き、ゲームが好き以上。そんな感じです。ただ、アメリカのアニメ好き、アニオタクたちは、アニメはもちろん好きだし、それ以外に日本の食べ物やファッション、音楽が好きで、熱量の高い人たちが多い。
本田:要は「アニメ好き=ジャパンオタク」ってことですか?
☆Taku:そうなんです。それだけ熱量の高い人たちが集まってくれていて、しかも僕が覚えてないようなことも知っている詳しい人も居たりして。ロサンゼルスのアニメコンベンションは少し特殊ですが、これだけ人が集まるイベントに、日本の企業が関わっていないのはもったいない。そして、海外の人たちは日本の情報を求めているのに、日本から情報を発信する場所がない。その機会損失をなくすために始めたのが、このOTAQUESTです。
本田:なるほど。話を聞いてるだけで、もったいない感があります。
ローカライズしすぎる作品は刺さらない
☆Taku:他にも面白い話があって。アニメコンベンション僕がDJで呼ばれた理由を聞いたんです。実際、アメリカでアニメのサントラを手がけたこともあるのですが、大きな要因はm-floがデビューしたての頃に流行った、音ゲーの元祖『Beatmania(以下、ビートマニア)』だったんです。
ビートマニアにはm-floの曲も入っていたのですが、そのビートマニアで遊んでいた世代が、ちょうどアニメコンベンションの参加者たちで、ゲームを通じてm-floの曲を知った人たちだったので、すごく盛り上がりました。
他にもこんな話があります。宇多田ヒカルさんがアメリカ進出する際、莫大な予算をかけてアメリカのトッププロデューサーたちとともにアルバムを製作し、リリースしたのですが、思わしい結果にはならなかった。
そのとき、多くの人は「やはり日本人はダメなのかな」と思っていたのですが、実は全然そんなことないのが、2017年にわかった。2017年1月に発売した「光 -Ray Of Hope MIX-」(REMIXED BY PUNPEE)が、全米のiTunesで日本人アーティスト最高の2位にランクインしたんです。
実際、アメリカのアニメコンベンションに行って気づいたことなんですけど、海外の人たちは宇多田さんに何を求めているのか。海外の人たちは『キングダムハーツ』というゲームを通じて宇多田さんのことを知ったので、彼らが求めたのはローカライゼーションしまくった作品ではなく、日本でリリースした作品だったんです。
<後編につづく>