ビジネス

2019.01.22

パリのディズニーランドが「キャッシュレス化」へ 専用ICカードで

Photo by Antoine Antoniol/Getty Images

パリのディズニーランドがRFID形式の非接触ICカードを導入し、リゾートホテルや施設内でのあらゆる買い物が、カード経由で行えるようになる。

1992年創業のパリのディズニーランドは、23億ドル(約2500億円)の予算を投じ、このシステムを導入し、2021年に新設予定のスターウォーズや、アナと雪の女王関連の新たなアトラクションでも利用可能にする。

同施設では2016年の4つ星ホテルのDisney’s Newport Bay Clubのリノベーションの完了に合わせ、ワイヤレス決済の導入試験を行ってきたという。

ディズニーランド・パリの担当者のYves Wenckerは以前の取材で、クレジットカードに紐づく専用のスマートメディアで、施設内の乗り物の利用やレストランでの食事を可能にすると述べていた。MagicPassと呼ばれるこのシステムは先日、パリのディズニーランドの全ホテルで利用可能になった。

このカードは施設の入場チケットや食事のバウチャーとして使えるのみならず、園内の乗り物のファストパスとしても利用可能になる。Wenckerによると、園内のホテルの客室数は5800にも及び、新たなテクノロジーの導入には数年の月日が必要だったという。

敷地内に8つのホテルを持つディズニーランド・パリは、ホテルの集合体としてフランスで5番目の規模となっている。ウォルト・ディズニー・スタジオにも隣接する、ディズニーランド・パリの年間来場者数は、約1500万人に及び、欧州で最も人気の観光地となっている。

米フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドリゾートでは、専用のリストバンドを用いて、ホテルへの立ち入りや園内での買い物などが可能になっている。また、リストバンドと専用アプリを連携させて、乗り物の予約が可能で、乗車中に撮影した写真の保存も可能になっている。

Wenckerによると、米国とEU圏内ではテクノロジーの規制環境が異なるため、米国のリストバンドをそのままフランスで導入することは不可能だったという。

「ただし、ディズニーランドのホテルに到着してから、チェックアウトするまでの全てのエクスペリエンスを、シームレスに統合するという意味において、フランスでの試みは米国のそれと同等のものだ。この仕組みで、顧客の利便性は大きく向上する」とWenckerは話した。

編集=上田裕資

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