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Forbes CAREER編集長


──ブランドを定義し、それに合わせてロゴも刷新。対外的ですが、効果が見えるまでに時間がかかるこの施策で、まずどこに変化があったのでしょうか?

外ではなく、中ですね。結論から言うと、全社員でブランドを定義する過程、そしてそのブランドプロポジションをしっかりと体現していく過程において、1人として社員が辞めていません。

インナーコミュニケーションの強化は今の時代、どの企業も課題だと聞きます。ミッション、ビジョン、バリュー(MVV)の策定とか非常に今、一種のトレンドのようになっていると思いますが、何のためにそれを定めているのか、社員がわかっていない。

それに対して、会社、サービスのブランドを考えるということは自分たちの社会における存在意義を考えるところから始まります。あと、経営層だけで考えたのではなく、社員も巻き込んでサービスはもちろん、会社の存在意義について真剣に議論した結果、全員がサービスの“責任者”であり、会社の“代表”ということを認識できたのではないでしょうか。

──目指すべき姿、あるべき姿が明確になった。それを実現するためのMVVとなると、浸透も早そうです。

ええ、まさに。物事も進みやすくなるんですよ。例えば、誰かのアイデアに対して、「それって『PARK UP』の要素ある?」とか。

そして営業の意識が、完全に変わりました。全員がブランドの重要さを気付けたと思いますし。最初にお客様と接するのは営業です。彼らはいわば、ブランドの体現者なんです。

ブランドの社会的存在意義、プロポジションが定義されていれば、自信を持って提案できるわけです、「他社とは違うんだぞ」と。

あと、採用ですね。面接官となる社員全員がakippaのブランドを認識し、アトラクトしても恥ずかしくない、自信を持って招けるという空気ができています。結果、最終面接で会った人はほぼ全員採用できていますね。

そして、何よりの変化がこのプロジェクト走らせた1年の間で、社員一人も辞めてないんです。

──失礼かもしれませんが、大阪=商人文化。すぐにお金にならないことは好まないという印象があるのですが、金谷さんは違うようですね。

いえいえ、おっしゃる通りです。たしかに経営の観点でも、元mixiの社長である朝倉祐介さんの本、「ファイナンス思考」にも記載されていましたが、大阪の人はP/L脳なんです。短期的な売上に繋がるかどうかという視点で考えてる人が多いと思います。

そして大阪愛が強い。吉本新喜劇や阪神タイガース=No.1という感覚ですが、東京の人はもちろん、世界の基準からみても、それはスタンダードじゃない。自分たちの中の最高=みんなにとって最高というものは基本存在しないんです。

そういう意識の中で、大阪を客観的に見た上でちゃんとブランディングプロポジションを策定していこうというのは気をつけてましたね。もちろん、新喜劇も阪神も好きですけど(笑)。

──大阪で一番で終わるサービスではいけませんからね。世界に行くためには。

世界一目指せば、自ずと皆さんに受け入れてもらえる。そしたら大阪でもきっと愛してもらえるサービスになるでしょう。僕たちの使命は「PARK UP」ですから。

文=後藤亮輔

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