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(左から)Brian Powers, James McGoff, Charles Vincent(photo courtesy of TemperPack)

米国では食品トレーや梱包材に、発泡スチロールの使用を禁止する動きが広がっている。先日はサンディエゴ市でも発泡スチロールの禁止条例が可決されたが、同様な規制はニューヨークやシアトル、ミネアポリス、ワシントンDCでも施行されている。

そんな中、環境に配慮した梱包材のスタートアップ企業として急浮上したのが「TemperPack」だ。1月10日、同社は2250万ドルのシリーズB資金調達を、ビリオネアのスティーブ・ケースが運営するRevolution Growthの主導で完了した。TemperPackは累計で4000万ドル(約44億円)の資金を調達している。

「当社は地球にダメージを与えない梱包材メーカーとして、市場をリードしていくことを目指す。数十億ドル規模のこの市場は現在、スタイロフォームのような巨大企業の製品に独占されている」と、TemperPackの共同CEOのBrian Powersは述べた。彼は2016年のフォーブスの「30アンダー30」に選出されていた。

世界最大級の化学メーカー、ダウ・ケミカルの発泡スチロール製品であるスタイロフォームは、使い捨てのカップや食品のテイクアウト用の梱包材、緩衝材など、様々な分野で利用されている。しかし、発泡スチロールはリサイクルが不可能で、海洋ゴミの主要因の一つでもある。

Powersは学生時代からの友人だったJames McGoffと、2015年にTemperPackを共同創業した。ヴァージニア州リッチモンド本拠の同社は、「ClimaCell」と呼ばれる梱包材の特許を出願中で、このプロダクトは将来的に莫大な量のプラスチック排出を削減する役割を果たす。


包装材の「ClimaCell」

米国では各地の自治体が発泡スチロールの追放に乗り出しているが、消費者らの間の環境に配慮する企業への支持の高まりが、TemperPackのビジネスを成功に導くとPowersらは考えている。

今回の資金調達を主導したRevolutionのパートナーのTodd Kleinは「彼らの最も有望な市場にあげられるのが、医薬品メーカーと食品配送の分野だ」と話す。医薬品のコールドチェーン配送市場は2021年までに、166億ドル規模に成長すると見込まれており、TemperPackは既に薬品サービス大手のディプロマット・ファーマシーをクライアントに持っている。また、食材宅配サービスのハローフレッシュも同社の顧客だ。

調達資金でオペレーションを拡大

TemperPackは調達資金で従業員を増やし、オペレーションを拡大していく。同社は現在、ラスベガスとリッチモンドに生産拠点を持つが、2019年は3つ目の工場の開設を計画している。

あらゆる商品の販売がオンラインに移行するなかで、環境に配慮した梱包材への需要がさらに高まることを、TemperPackのチームは確信している。

「かつては多くの企業が見栄えのする店の建設に巨額の費用を注いでいたが、今ではその予算をEコマースに注ぐようになった。全てのアイテムが再生可能な素材で梱包されるべきなのに、現在市場に出回る製品の大半は、企業や顧客の要望に反するものになっている」と、TemperPack の共同創業者のMcGoffは話した。

編集=上田裕資

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